能を知る会鎌倉公演【箙】【巴】
5/3の県民能で私が勤める「箙(えびら)」ですが、箙とは戦に臨む武士が矢を入れるために背中に背負う筒の事です。「うつぼ」とも言い、狂言に「靭猿(うつぼざる)」と言う曲があります。
一の谷の合戦で正面から攻め入った梶原景時、景季親子が丁度盛りの梅の花を見て色違いの枝を折って箙に差し、大将の旗印として戦った事からその梅を「箙の梅」と呼ぶようになった物語をかたるのが「箙」の曲の前半です。
写真は箙に使う「勝修羅扇」で松に日の出の柄、下段が実盛(さねもり)や頼政に使う「負修羅扇」で波に日の入の柄です。
この扇は他にも鵺(ぬえ)や安達原等の鬼畜物にも使います。
下段は清経や敦盛等に使う「公達扇(きんだちおうぎ)」と言い、平家は天下を取って武士から公家になったことからこの扇も使います。
5/3の午後の部の「巴」も負修羅扇を使いますが、女性のシテなので下段右の「童扇(わらべおうぎ)」を使うことが多いようです。
扇一つにも多くの決まりやウンチクがございます。県民能では最初の解説や終演後の質問コーナーがあり、能には現代語と英文の字幕もありますので初めて能を御覧になる方からベテランのファンの方までお楽しみ頂けると思いますので、是非GWの鎌倉にお越しくださいませm(_ _)m
「能を知る会鎌倉公演」
◆日時2022年5月3日(火・祝)
◆会場:鎌倉能舞台
◆入場料 6,380円
◆演目:
10時始め
解説「「一ノ谷の合戦と梶原景季」熊野別当・梶原景季」中森 貫太
狂言「成上り(なりあがり)」飯田 豪
能「箙(えびら)」中森 貫太
14時始め
解説「「木曽義仲と巴御前」源為朝・巴御前」中森 貫太
狂言「宝の槌(たからのつち)」中村 修一
能「巴(ともえ)」中森 健之介
◆お申し込み・お問い合わせは鎌倉能舞台まで。
電話 0467-22-5557
HPアドレス http://www.nohbutai.com/
フェイスブック http://www.facebook.com/nohbutai
eプラス 午前の部
https://eplus.jp/sf/detail/3575950001-P0030001
午後の部
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