Asahiの「スタイルバランス」がマーケティング的に良すぎる

僕らの周りはマーケティングされているものばかりです。
アウトドアに行きたくなるプロダクトや美味しそうな食べ物、生活を豊かに過ごせそうなリラクゼーションアイテムとか、数え出したらキリがない…。

そのどれもが製品開発時に単に売れるだけでなく、消費者のためになるように考え抜かれたものばかりでしょう。

そしてそれらは機能を通り越して「なんとなく良いな」と感じてもらうための工夫が施されています。

マーケティング業界の巨匠である森岡毅さんは「本能にぶっ刺すマーケティング」と表現されているようです。

確かに、マーケティングやブランディングのことを考えている時は色々ロジカルに考えようとするけど、消費する時ってそんなこと考えずに割と直感で買ってしまう。

僕も最近本能をぶっ刺された商品があります。
みなさんご存知のアサヒビールが展開するブランド「スタイルバランス」です。

ノンアルコール飲料自体は以前からありました。
だけど、ノンアルを買う時ってなんとなく虚無感ありませんか?(酒好きの意見)
本当はお酒を飲みたいけど、ノンアルで我慢するかぁ的な。なんとなく満たされませんよね。

けどこれはノンアルに切り替えるだけでなく、睡眠が促進されたり、肌が綺麗になったりする。アルコールを我慢するだけでなく、そのプラスアルファがあることでとても前向きにノンアルを選ぶことができる。

天才すぎる…。

そういうインサイトを突いたのだと気づいた瞬間、この商品のこと、めちゃくちゃ好きになりました。
だって、当たり前なんですけど、アルコールの横の棚に置いてるんですよ。

美しく陳列されるスタイルバランス

ビールを買いに来たけど、ギリギリまで買うか悩む…ってこと(絶対)ありますよね?
そんな時に目に入ってくるスタイルバランスの飲料たち。

マイナスをゼロにするだけでなく、プラスにしてくれる。
天才すぎる…。どうやって開発したんだろうか。

僕らはノンアルにすることで満足感を蔑ろにしてしまっていると思っていたけど、満足感と健康は実は両立できるものだったんだ…。
一つPEACEに近づけた気がしました。

開発の裏側が気になったので調べてみたら2016年の記事が出てきた。勝手に1-2年の間に出た商品かなと思ってたのだけど長いこと存在していたのか。

記事の中でも明確にポジションを作っていたのだと書かれていた。けど、割と最近目に入るようになってきた印象がある。それは自分が対象のターゲットになっただけかもしれないが….。

「『機能性表示食品』を発売して、『ノンアルコール』に『健康』という軸を加え、独自のポジションを築こうと考えたのが、『スタイルバランス サワーテイスト』開発の背景。ノンアルコール飲料を飲む動機には、休肝日などの健康需要がある。明確に『健康価値』を打ち出せば、ノンアルコール飲料自体のとらえられ方も、変わると考えた」。

https://www.advertimes.com/20160322/article220745/

と思っていたら、2024年にラインナップのリニューアルと、2025年にブランドメッセージのリニューアルを行っていたみたい。

アサヒビールほどの大きな企業でも市場に浸透していくには10年以上じっくりやっているのかと思うと勇気づけられます。

スタイルバランスは元々「スマドリ」という取り組みの中にあるブランドです。
“飲める人も飲めない人もみんなが楽しめる、体質や気分に合わせた自由な飲み方。”ということからアルコールを飲めない方へのアプローチなのかなと推測します。
しかし、それだけでなくアルコール好きにとっても新たな選択肢となっていることでしょう。

天才すぎる、スタイルバランス。


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