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2022焙煎競技会予選

【焙煎の競技会とは】
コーヒーには技術を競う競技会があります。種目は複数ありコーヒーの抽出でいえば「ジャパンバリスタチャンピオンシップ」「ジャパンサイフォニストチャンピオンシップ」「ジャパンブリュワーズチャンピオンシップ」などエスプレッソマシン、サイフォン、ブリュワーなどいくつかに分かれています。また「ジャパンカップテイスターズチャンピオンシップ」というかッピングの技術を使った競技もあります。なかには「ジャパン コーヒー イン グッドスピリッツ」というコーヒーを使ったアルコールドリンクの競技会もあります。

そして、コーヒーといえばすべてのコーヒーは「焙煎」という工程を経なければあのブラウンのコーヒー豆にはならないのですからその競技がないわけはありません。それが「ジャパン コーヒー ロースティング チャンピオンシップ(JCRC)」です。

この競技会は単に日本一を決めるだけではなく「World Coffee Roasting Championship (WCRC)」の日本代表を決める選考会を兼ねています。
JCRCの優勝者がWCRCに参加する切符を手にすることができるのです。
つまりこの競技会に参加する人は「世界一を目指している人たち」でもあるわけです。

私はこれまで何度かこの競技へのエントリーを試みたことがあるのですが予選会への申し込みは先着順でして、過去はこの先着に入ることができず予選への参加は今回が「初」となるのです。

【競技日程、内容】

2022年のJCRC予選は7/20、21の二日間開催されました。予選の内容は

競技当日に渡されるコーヒー生豆600gを会場に設置されている指定の焙煎機で制限時間内(90分)にローストし、100gを提出する。

というものです。

提出された焙煎豆は競技翌日にセンサリージャッジと呼ばれる味覚審査員(審査員プログラムを経た人が実施)が味を項目ごとに細分化した専用のスコアシートを用いて評価し点数をつけていきます。

【競技】
競技の時の流れをお伝えいたします。

私は予選二日目(7/21)の午後の部だったので集合時間が昼頃で焙煎所のある軽井沢からなら朝出発すれば十分間に合う時間でした。それもあり余裕をもって会場入りすることができました。

ところが集合時間に会場について中をのぞいたらまだ午前の部の競技者が競技をしている真っ最中でした。午後の部の競技者は会場外に集められ外でオリエンテーションをすることになりました。(会場の中が競技するスペースのみでオリエンテーションをする場所がなかったため)

そこで競技順を決めるためくじ引きをしたところ、私は1番最初の競技者グループになりました。つまりトップバッターです。

その日は午前に競技で使用する焙煎機4台中2台にトラブルがあり、運営側がその対応に追われたこともあり午後の競技のスタートは予定よりも遅れたということだったのです。

トラブルがあった焙煎機のうち1台は部品交換が必要となる状態で午後の競技は故障した1台を除いた3台の焙煎機で進行していきました。 その分予選自体にかかる時間は長くなり、最後の方の競技者は待ち時間が長くなるということになります。

課題豆はコロンビア、サントゥアリオ農園 ウォッシュド精製でした。
私はこの日のプランとしてフレーバーは課題豆を見てから決めることとしていましたが、甘さについてはキャンディライクにまで発達させようと考えていました。

制限時間90分の使い方として1バッチは焙煎機の状態、生豆の状態を確認して提出用の焙煎プロファイルを考えるためのテストローストと位置付けていたので「まずは1バッチ」と考えていました。

予定を押していた午前の競技が終わり、サポートスタッフの方が午後の競技ができるように準備をしてくださってすぐに午後の競技がスタートしました。

私が操作したのは偶然にも競技会参加者向けに機器類の操作を体験できる「練習会」で操作したのと同じ焙煎機でした。焙煎機本体の色が白く、初めて私が買った焙煎機(DIEDRICH IR5)も白色だったのでそれを思い出して少しかわいいなと思っていた焙煎機でした。(練習会当日はちょっと不調だったので心配にもなりましたが)

競技が始まるとまずは焙煎機のところに行き、ガス圧、ブロワーなどを操作して自分が想定している初期状態になるようにしました。焙煎機はすぐに状態が変わるわけではないのでそれを待つ間に生豆の状態を見て欠点豆をはじき、計量しできることを進めます。

そして焙煎機の状態が整ってきたところで1バッチ目の生豆を投入して焙煎をはじめました。それをカッピングして今日のプロファイルの基本線を決め、2バッチ目からは提出を意識した焙煎にしていきます。

2バッチ目は少しAcidityをBright気味にして甘さは多少Grain-Sweetになってもintensityを意識していき、3バッチ目は逆に甘さを発達させていく方向に決めました。

2バッチ目、3バッチ目とカッピングしてみると生豆自体が少し弱っているのかすぐにオーバーロースト(オーバーディベロップメントを超える)近い味になってしまい、なかなか狙う甘さ(candy-like)には持っていけませんでした。

grain-sweetから味を発達させるディベロップメントタイムをを少しずつ伸ばして試したのですが、通常なら甘さが発達すると思う時間なのに課題豆は伸びることなく味がバラける感じになってしまう印象でした。そのため最終的に多少グレイン気味でもブライトアシディディのものを提出しました。

あとは結果を待つのみ!

決勝にコマを進めることができたら決勝の模様もレポートしたいと思います。

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