道徳マップの基本的な使い方
この記事では、道徳マップの基本的な使い方について書きました。例として自作した指導書を用いていますが、ぜひ実際の指導書でご活用下さい。
道徳マップは、授業の流れを視覚化するフレームワークです。授業には流れがあり、流れがスムーズであれば子ども達の理解度も高まります。ですが、流れが滞っていると、理解することが難しくなり、子ども達の集中力は低下して、子ども達の理解度も低下してしまいます。その目に見えない授業の流れをみえるようにしたものが、道徳マップです。
可能な限りシンプルな使い方にして、授業準備にかける時間や負担を最小限にして、最大限の成果が出るように開発しました。その成果は日本道徳教育学会で研究発表させていただいています。
前置きが長くなりましたが、まずは読み物として道徳マップの使い方を知っていただければ嬉しいです。
道徳マップの3ステップ
道徳マップの基本的な使い方は、「落とし込む」→「発問の修正」→「板書とイメトレ」の3つのステップで行います。各ステップの解説と、各ステップ後の道徳マップを書いています。
ステップ1「落とし込む」
ここでは、指導書に書かれている事を道徳マップに転記していきます。「主題名」「教材名」「内容項目」「ねらい」「導入発問」「展開発問」「中心発問」「展後発問」「終末発問」「評価」の10項目を転記します。
考え込まずに、機械的に転記していきましょう、各名称や発問の数が異なる場合は、空白にしたり、マスを分割したりして下さい。
ステップ2「発問の修正」
ここでは、児童観に合わせて発問を修正していきます。まずは発問とのつながりを意識しながら教材文を読みましょう。その後、クラスの子ども達をイメージして、答え難い発問を探し、子ども達が答えられるように加筆修正します。
子ども達の反応をイメージする時には、「自分だったこう答える」以外の反応を考えましょう。発問に対して「ポジティブな反応」「ネガティブな反応」「ユニークな反応」の3つの視点で考えるのもオススメです。
ステップ3「板書とイメトレ」
ここでは、板書計画を考えながら、授業のイメトレをして、細部を作り込んでいきます。指導書には丁寧に板書計画が書かれていますから、それを転記します。もちろん、自分が実践した板書計画があれば、それを書き込んでいきましょう。この時に、自分が教壇に立つ位置やどのタイミングで板書するかも書き込みましょう。
ここまで道徳マップを書き込んだら、授業の流れ全体をイメージします。発問がねらいと合っているか?前後の発問がジャンプしていないか?授業者だけでなく、自分が授業を受ける側でイメージして、加筆修正を繰り返しましょう。
最後に
今回は、配布している小冊子の内容を記事にしました。
授業準備は、技術です。自分に合った手法がまだ見つかっていない方は、ぜひ道徳マップを使ってみて下さい。その時は、15枚の授業を書いてみて下さい。道徳だけでなく、他の教科や行事もオススメです。
自分に合った授業準備がある方は、3校目以上のベテランの方が多いと思います。そんな方も、ぜひ道徳マップを使ってみて下さい。自分のためではなく、後輩への指導力を高めるためにも、道徳マップは効果的ですから。
これからは、より具体的で実践的な道徳マップの活用について書いていきますので、楽しみにして下さいね。