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言語化は、片付けと似ている。

言語化が得意な人は何をしているのか?

「言語化ブームか?」というくらい巷では「言語化しよう」「言語化した?」「言語化できる人がうまくいく」みたいに騒がれています。

でも、「言語化って難しくないですか?」会議やMTGで本質をついた質問をする人を見るたび、「この人は言語化のセンス高いな」と思ったことないですか?私はよくあります笑

「言語化はセンスだから私には無理」と諦めていませんか?じつは言語化にセンスは関係なかったんです。え!?

誰でも言語化はうまくなる!

本書は言語化がセンスだと思っている人の常識を覆し、今まで自分の想いをうまく言葉に変換できなかった人のために書かれた、言語化を諦めている人に読んでほしい「言語化入門書」です。

「何を」いうのかが9割

言語化は、あなたの視点から見た世界の解釈の仕方を、あなただけの言葉で表現することです。

なんだか難しそうだな。と思ったあなた少し待ってください。世界の解釈の仕方と書きましたが、これって生活の中でいつもあなたが無意識にしていることなんです。

突然ですか、あなたには推しはありますか?アニメ、ゲーム、本、映画、スポーツなんでもいいですが、推しについて話す時って「自分は◯◯だからこう思うんだよね」とか「◯◯のここがやばい!」といった風に自分の好きを軸に語っていませんか?

推しがない人は仕事で置き換えて考えてみてください。「あの上司がうざい」とか「この仕事って意味あるのか?」「上は現場のことわかっていない」みたいに、自分の立場でモヤモヤを口に出すことないですか?

これが、世界の解釈の仕方そのものです。自分のポジションから見たときに、自分はどう感じているのか。これが言語化のスタートラインであり、「何を」いうのかを見つける言語化において一番大切なポイントです。

推しの魅力を伝えたいのに相手が理解してくれない

モヤモヤを感じる原因は、自分の意見が相手に受け入れてもらえない時です。受け入れてもらえないから、相手の顔色をうかがって受け入れてもらいやすい「それっぽい言葉」に変換してしまう。

これ自体は悪いことではないです。ただ、これが習慣化することで自分の想いがわからなくなり、独自の視点を失い、ありきたりの言葉ばかり使う、つまりセンスのない人になってしまっているんです。

対策は、自分がなぜ、そう感じたのかを記録することです。自己観察する習慣をつけることで自分の視点を取り戻すことができます。おすすめはメモを書くことです。「できごと」+「感じたこと」を記録しておく。

そして時間ができたときに「なぜ自分がそう感じたのか」を、実況中継のように言葉を並べていきます。「ぶつぶつ独り言を呟く感じでいい」と著者は言っていました。

例えば「なぜ読書をすると暮らしが豊かになるのか?」という問いが頭に浮かんだとします。

朝起きる。顔を洗う。コップ一杯の水を飲む。「今日も朝が来た気がする」リビングにある自分の作業スペースの椅子に座り、前日机の上に用意していた本を手に取る。「よし、読もう」ページを捲る。書かれている言葉をはじめはゆっくりと読む。「この言葉いいな」とメモしながら読んでいるうちに、気がついたら本にのめりこんでいる。朝の誰にも邪魔されない時間に本を楽しむ。ひとり時間を満喫するために本を読んでいるのかもしれない。

みたいに時系列を追って書いていくことで「自分がどう感じているのか」が分かるようになっていきます。ぜひ、あなたもやってみてください!

なぜ言語化は片付けと似ているのか?

自分の想いを言語化する順番は、自分の想いを知る、自分の想いについて考える、自分の想いをまとめる、伝えたい相手をイメージする、伝えたいことを決める、伝わる言葉にするです。

これ片付けに似ていませんか?あなたの部屋を見渡してください。きっとあなたの好きが部屋には溢れているはずです。でも整理整頓していないと好きが埋もれてしまう。そんなことありますよね??

自分の好きに強弱をつけるために言葉の片づけをすることで言語化がうまくなる。この視点が一番この本を読んでいてしっくりきたポイントです。

部屋の中にはあなたの好きが詰まっているはずです。思いも同じです。あなたの頭の中には、あなただけの感情がたくさん詰まっているはずです。それを片付けていきましょう。

感情にラベリングを行い、似ているものを集めて、見出しをつけたり。いらないものは捨てたり、自分の感情に一番しっくりくる言葉に置き換えたりしていく。この作業、片付けに似ていますよね?

あなたの頭の中を、好きだけで満たしていくイメージです。好きで満たすと自然と伝えたいことが内側から溢れてくるはずです。

次はそれを届けたい相手に合わせて考えましょう。相手の頭から吹き出しが出ている姿をイメージして、できる限り相手が使う言葉で、自分の好きを伝える工夫をしてあげてください。

自分の頭の中の片づけをしたように、相手の頭の中に収まりやすいように言葉をまとめたり、言い換えたり、工夫してあげてください。その相手を思った工夫が「伝わる言葉」になっていきます。

言葉にできない想いを大切にする

どんなに考えても、片づけをしても、想いを言葉にできない時はあると思います。そんなとき人は「エモい」「すごい」「やばい」といった言葉が出てきます。これよくある言語化の本では、「エモいを封印しましょう」と書かれているんですけど…別に封印しなくてもいいんです。

「エモい」を使ってもいい。ただ使う時は「なぜエモいと思ったのか」の理由をエピソードとともに言葉にしておく。そして、エモいと思ったわけを少しでもいいので自分の価値観と照らし合わせて考える。

「できごと」+「感情」を日頃からメモする習慣をつけることで、自分が「エモさ」を感じる瞬間を特定することができ、自分が何に対して心動かされるのかパターンが読めてくるようになります。

この習慣を身につけると自分の想いを観察する力を底上げしてくれます。自分がどんなときに楽しくなったり、怒ったり、悲しんだり、嬉しくなるのかって、意外とわかっていないんですよね。だからこそ、記録しましょう!

「エモさ」を記録することは、自分を知ることです。今答えが出なくてもいい。モヤモヤをモヤモヤで留めておく。いつか想いを言葉にできるその日まで保管しておく。これ自体、結構エモくないですか?

このモヤモヤを留めておく能力を専門用語でネガティブ・ケイパビリティといいます。

不確実な状況や答えのない問題に直面した際に、すぐに結論を出そうとせずに、その状態を受け入れる力

モヤモヤをそのままにしておくことにも価値がある。言語化を保留しておくことで言語化が育つ。なんだか不思議ですが、時間に身を委ねる選択肢を持っておきましょう。言葉を磨くヒントがここに隠れている気がします。

言葉にできると人生が良い方向に変わり始める

言葉にすることが人生を変えるためのファーストステップです。自分の内側と向き合う『言葉にする習慣』は人生の変える可能性を秘めています。

今の自分を変えたい
やりたいことが見つからない
優しい人になりたい
夢を見つけたい

理想の未来を手繰り寄せるヒントは言語化かもしれません。気になった方はぜひ本書を読んでみてください。

本書は明日香出版社様よりご恵贈していただきました。ありがとうございました。

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