【書評】『しんどくなったら、心より先に体を整えよう』
書店に行くとメンタルケアに関する書籍をたくさん見かけます。みんなが忙しさと戦っている社会で、何かしらの心の不調を抱えている人の多さに気づきます。
心を整えるために瞑想をしましょう
朝の散歩でセロトニンを浴びましょう
セルフハグをしてオキシトシンを出しましょう
心のケアに効きそうなこれらの助言ですが、本当に心がしんどいときに実践できるのかと聞かれると、「正直厳しいのでは…?」と疑問が浮かびます。
知識を入れることで予防はできると思うんです。ただ本当にしんどくなったときって、言葉がスッと入ってこない、良いと頭ではわかっていても実践できない、そんなことの方が多いと僕は思います。
本書はそんなあなたにこそ贈りたい1冊です。
どうしても夜中の暴飲暴食がやめられないなら、「諦めて食べましょう」。
どうしてもお酒がやめられないなら、「諦めて飲みましょう」。
無理して心にストレスを与えるくらいなら、まずは制限なしに自分を受け入れてみる。
ダメだ、ダメだって言われると逆にやめられなくなりますよね?あれと同じです。
本書では一度自分のありのままを受け入れる。その上で、「在宅でできる整体」を通して心からではなく、体から整えることで心をラクにしていくことを目指します。
体の声が聞こえるようになると自分軸が出来上がる
本書では『まくら体操』といった在宅でできる方法が紹介されているのですが、具体的なやり方はぜひ本書を読んで、実際にご自身でやってみてほしいと思います。
「いやいや、その具体的な方法が知りたくてこの記事を読んでんねん」って方、ごめんなさい。
でも、著者のいちいさんが
と書かれているのですが、自分の「思い」が整体を本当に求めたときにご自身で体験してほしい、と僕も思うのであえて書きません。
でも在宅でできる本当に簡単な方法ですので、頭痛や腰痛で困っている方はぜひ本書を読んで実践してみてくださいね。
老いを受け入れることで綺麗はつくれます
アンチ・エイジング。加齢による老化を遅らせたり軽減させたりすることを目的とした健康長寿を目指す予防医学のことですが、これって「老いたくない」というネガティブ思考から生まれた言葉だと思うんです。
「このままだと大変なことになりますよ」とか「20代の若さを取り戻しませんか?」とか、老いをフックにして人の行動を煽りサービスや商品に繋げる目的でも使われていると僕は考えています。
ただ、本当に綺麗な人って老いはそのまま受け入れて、その年齢にあった考え方や自分の磨き方をしている人だと思うんです。
本書にもアンチ・エイジングではなく、アクセプト・エイジングのマインドで生きていくことが人として魅力を高めてくれる方法だと主張されています。
「美しさ」は他人と比較しがちですが、人それぞれ「美しさ」の基準はバラバラだし、その人にあった生き方、自分に合っているという感覚を持っている人の方が素敵な人という印象を他人に与えられると思っています。
老いに逆らうのではなく、老いも愛する。「私たちは生まれたときから余命宣告されているようなもの」だとしたら、その瞬間、瞬間で自分の体にあった選択を続けることがラクに生きていく、自分らしく生きていく方法ではないでしょうか?
本書は特に30代以降の女性の方におすすめしたい1冊です。「全部自分がしなくちゃ」と無理して全てを抱え込んでしまいがちな、真面目で頑張り屋さんの方には特に刺さる本です。
心のケアは体から整える。自分本来の力を取り戻したいと強く願っている人に届きますように。
本書は株式会社アスコムよりご恵贈いただきました。 ありがとうございました。