資さんうどんをすかいらーくが買収、バリュエーション考察
九州うどんチェーンの雄である資さんうどん。
約70店舗を展開し、福岡のソウルフードとなっている。
福岡と言えばとんこつラーメンのイメージだが、実は地元の人間はラーメンよりうどんを食べると言われているぐらい、うどんが人気。
バリカタなどの硬めで食べるラーメンとは違い、うどんは柔らかい麺が特徴。
讃岐うどん好きには驚くぐらいコシのないやわメン。
東京への出店もちょうど発表されていたところなので、今後はすかいらーくによって九州以外でも積極的に展開されていくのかもしれない。
そんな資さんうどんは2019年にユニゾンキャピタルというPEファンドがオーナー家より買収。
今回のすかいらーくによる買収を悲報というような形で伝えているファンが多いようだが、5年前に既に買収されている。
順当に業績を伸ばし、投資から5年で、先日すかいらーくにエグジットされた。
さて、本件凄いのは売買価格。
すかいらーくホールディングスのリリースによると、
・株価は240億円
・営業利益は360百万円
・EBITDAは1,406百万円
・純資産は2,495百万円
とのこと。
EBITDA -営業利益=1,046百万円≒償却費と推定。
出店により償却資産がかなり増えていると思われ、恐らくそれに伴って借入も多いはず。
バリュエーションにはEV/EBITDAマルチプルが用いられていると思われるが、年倍法だと約15倍。
EV/EBITDAマルチプルで、倍率20倍だとすると、EBITDA1,406百万円×20≒280億円。
ネットデットが40億円で株が240億円。
およそこんな感じではないだろうか。
マルチプル20倍!!
だとするととんでもない金額だ。
外食上場企業のマルチプルは15倍ぐらいなのでそれを上まわる。
上場できる状態の会社ではあると思われるので、上場した場合の推定株価から譲渡価格を決めたのかもしれない。
何にせよ凄いバリュエーションだ。
業界の追い風となってくれたらなと思う。