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久しぶりの敵対的買収とホワイトナイト【M&A日記】

私が支援するのは上場していない会社の譲渡。
そこに敵対的買収は存在しない。

敵対的買収は、嫌だと言われてるのに買うこと。
例えば私が100%の株式を保有する会社があったとして、私が嫌だと言えば株は買えない。
なので敵対的買収は成立しない。

しかし、上場企業は違う。
株の多くが市場で流通されている。
創業家とか経営陣が嫌だと言ったところで、株式を取得してしまえば買収は成立する。

そんな敵対的買収が久しぶりに出てきた。

C&Fロジホールディングスという東証プライム上場の売上1000億円を超える物流会社に対して、AZ-COM丸和ホールディングスという同じく東証プライムに上場する売上2000億円弱の物流会社が敵対的買収を仕掛けた。

2024年3月21日にAZ-COM側がC&Fロジへ一株3000円でのTOBを発表。
このTOBについて、C&Fロジの経営陣は賛同せず。
なので敵対的買収ということに。

そしてそこに「ホワイトナイト」が登場。
ホワイトナイトは敵対的買収から防衛するために、友好的な立場で介入し、買収対象企業を救済する第三者のこと。
佐川急便のSGホールディングスがホワイトナイトとして、C&Fロジ経営陣の賛同も得る形で、TOBを発表。
一株5740円ということで、AZ-COMの価格を大幅に上回る提案。

本日6月7日時点でAZ-COMには価格を引き上げる予定はなく、AZ-COMのTOBに賛同する株主は殆どいないであろうことから、事実上この敵対的買収は失敗に終わる見込みとなった。

敵対的買収、ホワイトナイトと言えば、堀江貴文氏のライブドア時代を知っている人ならすぐ思い浮かぶであろう。
ライブドアがニッポン放送を敵対的買収しようとし、そこに今はなきリーマンブラザーズがホワイトナイトとして登場。
リーマンブラザーズがホワイトナイト??逆じゃないの??と思うかもしれないが、ニッポン放送はライブドアの傘下に入ることを強烈に嫌がった。

このTOB事案で20年前、私もまだ大学生だったが初めてホワイトナイトという言葉を知った。

そんな久しぶりの敵対的買収とホワイトナイトが登場したニュースの共有でした。

ちなみに国内では敵対的買収の成功例はほぼない。
始まりは敵対的でも最終的には友好的にまとめられる。
まさに国民性だ。

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