外資系翻訳あるある・小数点問題
これまでの外資系翻訳あるある
直訳は万能ではない
言語が違うと語順が違う(ことがままある)
原文にはない言葉が現れることがある
訳すと長い言葉になってしまう
フォントを侮ってはいけない
100%同じ意味の言葉は他の言語にはない(と思ったほうがいい)
これまた昔 Facebook で見た広告なのですが、
¥1,800.00コースはこちら
という文字の入ったバナー。
日本では 1953 年末に 1 円未満の小額通貨が廃止されて以来、補助単位はないわけで、この表記は大変気持ちが悪いのであります…。
アメリカ中心で動いている会社では、この初歩的なミスがなかなかの確率で起こります。アメリカにはドルに対するセントという補助通貨がありますから、外国の値段表記などには思いが至らないのでしょう…。完成状態での翻訳チェックが入れば簡単に見つけられる問題点ですが、そうしたチェック体制が甘いのもよくあることのようで、困ったものです。
ところで、上でアメリカ中心で…、と書いたのには理由があります。もちろんバナーが売り込もうとしていたサービスがアメリカの会社のサービスだったので実際にはそれでわかってしまったわけですが(笑)、もう一つの理由は、小数点はが「.」(点)で表記されていたからです。ヨーロッパでは多くの国で小数点として「,」(カンマ)を使うんですね。これは日本人にとっても違和感たっぷりです。
しかし、です。もっと細かくいうと、例えば日本では 3 桁ごとの区切りに入れるカンマが、点あるいはスペース、はたまたアポストロフィである国もあったりして、まさにカオス…。数字の表記法のような基本的なフォーマットはそう簡単に習慣を変えられるものでもなさそうで、今後も混乱は続きそうです…。
この問題は年月日の表記方法も似たような問題が起こります。アメリカでは月、日、年の順、ヨーロッパでは日、月、年の順、そして日本では年、月、日の順に表記するのが通常ですね。
世界中で表記方法を統一してほしい!!という気もしますが、もし万が一「世界中で日、月、年の順で表記することにしました!」となった時、私の違和感は恐らく死ぬまで拭えないことでしょう…。
そしてこれは翻訳とは関係ないですが、アメリカが頑なに使うヤード、ポンド…。これも本当にどうにかならないものか、と思うわけですが、それに慣れきっている人たちが全部を変えるのは相当な苦痛です。そんなに変える必要ある?と思われるかもしれませんが、
マイル → km
ヤード、フット、インチ → m、cm
ポンド → kg, g
オンス → g
ガロン、クォート → l
パイント、オンス → ml
エイカー → ヘクタール
華氏 → 摂氏
と基本すべての単位が変わってしまうので、一筋縄ではいかない、というのは理解できます。
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