ブランドロイヤルティとは?計測方法と高め方についても解説
どうも!ブランドコンサルタントの中江です。
今日のテーマは「ブランドロイヤルティ」ですね。
1.ブランドロイヤルティとは何か?
ブランドロイヤルティは、ブランディングについて興味がある方であれば、一度は聞いたことがある言葉だと思います
ブランドロイヤルティとは、一言で言うと、ブランドに対する既存顧客の忠誠度のことです 。
この忠誠度が高ければ高いほど、リピートや口コミに繋がりやすくなるので、このブランド・ロイヤルティを高めていくことは非常に重要です。
どれだけ新規顧客の集客が上手く行ったとしても、このブランド・ロイヤルティが低ければ、継続的に商品・サービスを購入してもらえないので、ずっと新規顧客の獲得に莫大なコストを割き続けなくてはいけなくなります。
例えば、美容院を新しくオープンしたとすると、まず重要になってくるのは、新規顧客の獲得です。
最も手っ取り早く、確実な方法は、ホットペッパービューティやチラシなどの広告を活用して、新規集客していく方法です。
広告費をかければ、一定数は必ず集客できるようになりますが、来店した新規顧客の9割が2回目以降来なかったとします。
そうなると、お店を維持していくためには、来月もこの失った9割の顧客数を集客するために広告費をかけ続けなければいけません。
さらにいうと、新規顧客を獲得するためのメニューというのは、体験という意味合いが大きく、購入のハードルを下げるお得なメニューを用意するのが定石です。
そういう「お試し用のメニュー」は利益率が低いので、リピート率が低ければ、忙しいのに、利益があまり上がらないというような状態に陥ってしまいます。
なので、このブランドロイヤルティを高めることは、どんな事業をやるにせよ、必須です。
2.ブランドロイヤルティの計測方法
では、続いては、ブランドロイヤルティの計り方について解説していきたいと思います。
一般的に、このブランドロイヤルティは、「NPS(ネット・プロモーター・スコア)」もしくは「DWB」という指標を使って、計測していきます。
2-1.NPSによる計測方法
まず、NPSについて
この指標は、元々アメリカのコンサルティング会社「ベイン・アンド・カンパニー」のフレッド・ライクヘルドが『顧客ロイヤルティを知る「究極の質問」』という書籍の中で提唱した概念です。
NPSは、既存顧客を対象にしたアンケート調査で計測していきます。
具体的には
という質問を0~10の11段階で評価してもらいます。
例えば、既存顧客の100人にアンケートを取り
✅20人:0~6点(批判者)
✅20人:7~8点(中立者)
✅60人:9~10点(推奨者)
というアンケート結果だったとします。
その場合のNPSは「60%(推奨者)−20%(批判者)」なので「+40%」となります。
NPSの平均値は業界によって異なり、具体的な業界の平均数値などは、NTTコムオンラインの「NPS業界別ランキング&アワード」などでも紹介されています。
2-2.DWBによる計測
もう一つのDWBは、既存顧客の今後の購買意向を測る指標です。
DWBもNPSと同様に、既存顧客を対象にしたアンケート調査で計測していきます。
具体的には、既存顧客に、自社の商品を
✅絶対に買いたい
✅買いたい
✅どちらでもない
✅あまり買いたくない
✅全く買いたくない
という5段階に分けた質問を行い、評価してもらいます。
この中で「絶対に買いたい」と答えた人が、ブランドにとってのロイヤルカスタマー(優良顧客)であり、この割合がブランドロイヤルティを測る一つの指標となります。
一般的に
と言われているので、まずは「絶対に買いたい」と思う人が20%を超えることを目標値に定めるといいでしょう。
ただ、これも単純なアンケートなので、「絶対に買いたい」と答えていても、実際には購入してなかったり、「どちらでもない」と答えていても、継続的に買っていたりする場合もあるので、売上の計測とセットで測っていくのが良いと思います。
NPSもDWBもアンケート調査で分かるのは、現時点でのブランドロイヤルティなので、定期的に計測していくことが重要になってきます。
3.ブランドロイヤルティの高め方について
では、次にブランドロイヤルティは、どのようにすれば高めていくことができるのかについて、お話していきたいと思います。
ブランドロイヤルティが低いとは、すなわち、商品・サービスを新規で購入してもらっても、リピートされない。口コミされないということです。
では、なぜ、リピートや口コミが起きないのか?
要因は様々ありますが、最も重要なのは、
という観点です。
どんな商品・サービスを扱っているにせよ、ブランドは顧客に対して約束をしています。
そして、見込み客は、その約束に魅力を感じて、商品・サービスの購入を決めます。
例えば、ラクサスという、月額6800円で、ブランドバックを自由にレンタル・交換ができるというサービスがあります。
では、このサービスが、顧客に対して行っている約束とは何かというと、
ということです。
ラクサスは、継続率が95%で、9ヶ月以上継続利用している優良顧客が98%と非常にブランドロイヤルティが高いのですが、これも第一に、このブランドとしての約束を果たしているからです。
ブランドロイヤルティが低いとは、宣言している約束を果たしていない時に発生します。
例えば、この場合であれば、「本物のブランドバックをレンタルできる」と謳っているのに、実際には偽物のブランドバックを提供していたりする時が、約束を果たせていないという状態ですね。
当たり前ですが、「本物のブランドバックだ」と思って、レンタルしたのに、家に届いたものが、偽物だったら、誰も2ヶ月目以降に継続しようとは思いません。
ラクサスで扱うバッグは、専門の鑑定士による鑑定済みの本物しかなく、万が一、偽物が発覚した場合はそれまでのご利用料金を全額返金するそうです。
ここまで徹底してやっているからこそ、購入前と購入後のギャップがなく、信頼して使い続けてくれるのです。
例えば、私の場合であれば、
ことをコンサルティングサービスを受ける、顧客に対して約束しています。
「ブランドにする」というのは、「商品・サービスの価値が本当に伝わり、高単価でも競合が増えても、安定して選ばれ続けるような状態」を作り出すことです。
もし、私にコンサルティングを依頼しても、このような状態に導けなかった時は、当然ですが、契約の延長はされません。
それだけではなく、
と悪い評判すら広がる可能性もあります。
だからこそ、顧客との約束というのは、事業を継続していく上でも、絶対に守るべきことなのです。
3-1.ブランドプロミスの作成
ブランドロイヤルティを高めていくには、まず、このブランドプロミスは何かということを具体的に定めていく必要があります。
これはブランド全体として
✅どんな顧客に対して
✅どうなってもらうことを約束するのか?
ということを考えると良いでしょう。
まず、やるべきことは、対象顧客の絞り込みです。
対象顧客は、明確に絞らなければ、魅力的なブランドプロミスはできません
先ほども言いましたが、人が商品・サービスを購入するのは、そのブランドプロミスが魅力的に感じるからです。
ラクサスなら
というブランドプロミスに魅力を感じて、顧客はそのサービスの利用を決めます。
一口に約束と言っても、魅力的でなければ、商品・サービスを購入しようとは思いません
例えば、
というブランドプロミスだったら、誰も利用しようとは思いません。
金額的にも、本物のブランドバックを買った方がよっぽど良いです。
あなたの商品・サービスを購入する可能性がある見込み客には様々な層がいます。
例えば、注文住宅を請け負う工務店があったとします。
この場合、見込み客の最大母数は「賃貸ではなく、新築の家・マンションを購入したい人」です。
ですが、この層にも様々います。
例えば
という層もいれば、
という層もいます。
ターゲット層によって、響くブランドプロミスは違います。
例えば、「経済性」を最重要視する層には
というようなブランドプロミスが響くかもしれませんし
「健康面」を最重要視する層には
全て人体に害がない自然素材で作るので、アレルギーをお持ちの方でも安心して暮らせる家を作ります
というようなブランドプロミスが響くかもしれませんし
「耐久性」を最重要視する層には
というようなブランドプロミスが響くかもしれません。
価値観によって、響く言葉は変わってくるのです。
この対象顧客を明確に絞らずに作ってしまえば、誰の目にも魅力的ではないブランドプロミスになってしまいます。
例えば、よくあるのが「いい家を作ります」とか「本物の住まいを作ります」というようなブランドプロミスですね。
この言葉自体は、誰もが求めているものではなあるのですが、あまりにも表現として漠然としていて、誰の心にも響かないブランドプロミスとなってしまいます。
対象顧客を絞り込む際には、「年齢」「性別」「仕事」といったような属性を漠然と書き出すだけではなく、具体的にこれまで直接コミュニケーションを取ったことがある、実在の人物名を複数挙げることが大切です。
また、ブランドプロミスを考える際には、その定めた対象顧客の人たちがそれを
✅心から求めているのか?
✅そのブランドプロミスを見たときに、思わず欲しいと思ってしまうのか?
を考えるといいでしょう
この二つを満たせているとき、魅力的なブランドプロミスになっている場合が多いです。
3-2.ブランドポリシーの作成
対象顧客が絞りこ込めて、ブランドプロミスができたら、次にブランドポリシーを作成していきます。
ブランドポリシーとは、ブランドプロミスを守るために、現場で必ず守る具体的な行動指針です。
例えば、ラクサスであれば
✅専門の鑑定士がチェックしたブランドバッグしか取り扱わない
✅もし、偽物だと発覚した場合は、これまでの利用金額を全額返金する
とかですね。
ブランドプロミスは、漠然と作成するだけでは、守ることができません。
特に、組織の場合は、具体的な行動指針が明文化されていなければ、守ることはできません。
なので、これも箇条書きにしていきましょう。
そして最後が、既存顧客のコミュニティを作ることです。
顧客コミュニティの形態は、様々ありますが、重要なのは、商品・サービスを提供後も、双方の関係性をより深めていくような仕組みを作っていくことです。
例えば、非常にブランドロイヤルティが高いキャンプ用品メーカーの「スノーピーク」というブランドがあります。
このスノーピークは、社長も従業員も無類のキャンプ好きで
という指針の元に、高品質なキャンプ用品を提供しているので、非常に熱狂的なファンが多い訳ですが、スノーピークはそれだけでなく、独自の既存顧客のコミュニティがあります。
例えば、その取り組みの一つに、「スノーピークウェイ」というイベントがあります。
スノーピークウェイは、スノーピークウェイの社員と既存顧客が一緒にキャンプを楽しむイベントです。
スノーピークウェイは、1998年からスタートし、全国各地で、毎年6回開催され、年間の参加者は合計で5000人ほどで、ちょうどロイヤルカスタマーと同じくらいの人数です。
メインイベントは、焚き火を囲んで行う「焚き火トーク」で、その場では、アウトドアの楽しみ方について話したり、製品について様々なレビューをしてもらいます。
このように、直接交流することによって、既存顧客との関係性がグッと近くなるのと同時に、製品についてのユーザーの本音を聞けるので、そこから製品の改良に繋がることも非常に多いそうです。
つまり、このイベントを通じて、既存顧客の意見が、ブランドにフィードバックされるので、一お客さんという立場から、ブランドを共創していく仲間へと関係が変わるのです。
また、このイベントを通じて、既存顧客と社長やスタッフとの関係性も「いつも愛用しているスノーピークの社長」から「一緒にキャンプをする友人」「いつもキャンプ場で会う人」に変わります。
商品サービスに満足し、かつ、これだけ関係性が近くなると、既存顧客はあえて、「もっと他に良いキャンプ用品はないか?」と情報収集すらしなくなり、「キャンプ用品といえば、スノーピーク」となり、ずっと選び続けてくれるようになります。
今の時代は、インターネットが活用できるので、既存顧客との双方向の関係性は、非常に作りやすくなっているので、これを実践するだけでも、頭ひとつ抜けたブランドができます。
最後に
ここまで読んで頂き、誠にありがとうございます。
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