「いきもの」の香合
小代焼中平窯の西川です(^^)
熊本では朝晩はずいぶんと肌寒くなってきまして、今日からは日中も長袖で仕事をしています。
先日3回連続でのガス窯本焼きを終え、今月から登り窯用の作品を作っています。今回初めて制作しているのは「いきもの」の香合です。
私は幼少期から動物が大好きでして、小学生の頃は毎週欠かさずに『どうぶつ奇想天外!』というテレビ番組を見ていました。
番組特製の動物図鑑の懸賞へ応募し、それが当選しなかった悔しさは今でも覚えており、良い思い出です 笑
いや~、ホントに悔しかったんですよ 笑
「いきもの」の香合は動物好き×焼物好きという私にとってとてもありがたい器でして、動物の姿と器を両立できる作品は楽しいものです。
香合とは
香合は炭手前の際に使用する、お香を入れておく蓋物(容器)です。
炭手前とは、お茶会の時に炉や風炉 (ふろ)に茶釜を掛けて湯を沸かすのですが、その際に炉や風炉に炭をつぐ作法の事です。
その炭をつぐ流れの中でお香も焚きます。
これはもちろん良い香りでお客様を楽しませる意味もありますが、お香の香りによって茶室内を清めるという意図もあるそうです。
現代での多くの茶会では炭手前が省略されています。
その場合、香合は紙釜敷の上に置かれ、季節の花や掛け軸と一緒に床の間に飾られています。
香合の使用には季節の決まりがありまして、炉の時期である11月~4月までは陶製の香合に練香を入れて用い、風炉の時期である5月~10月には漆器製の香合に角割の香木を用います。
そして、金属製や貝殻を使用した香合については、季節を問わず使用することができるとされています。
「いきもの」と器
床の間に飾られることのある香合は季節感を出したり、主催者の趣向やお茶会のテーマをお客様へ伝えるための大切な要素の一つです。
香合のモチーフは手のひらに乗るサイズの蓋物であるという事以外に特段の制約がありませんので、作り手としても楽しんで造形することが出来ます。
縁起ものの亀(長寿)や鯛(めでたい)から、あまり作例の無いクジラなどの大型動物の香合も作りました。
来月登り窯を焚くつもりでおりますので、今から焼き上がりがとても楽しみです(^^)
2024年11月18日(月) 西川智成