【第29回】人生を振り返る【社会人-ライブハウス勤務④】
ライブハウス勤務編の続き。
研修を終えて社員としてアンチノックに戻ってきて、これからがんばっていこう、というところで異動を通達された話。
前回までに書いたように、いろいろカルチャーショックを受けたりしつつなんとか研修を終えた僕は社員として最初の店舗に戻ることになりました。
研修中は迷惑をかけることも多かったんですが、研修を終えてやれることもだいぶ増えてきてこれでようやく店に貢献できる、これから貢献していこう、という気持ちでした。
あとこのアンチノックというライブハウスは当時6店舗ほどあった系列店の中でも人気のあるライブハウスで、成績の良い店舗に属している、という自負がなんとなくあった気がします。
そんな状況の中、上司(PA主任)とこんな会話がありました。
上司「もし系列6店舗の中で異動するとしたらどの店がいい?」
僕「あー、戻ってきたばかりなんでできればこのままがんばりたいですね」
上司「いやいや、仮に異動するとしたらの話で」
僕「他の店舗だと特にどこに行きたいとかはないですね。強いて言えば渋谷の店舗だとちょっと家が近くていいかな、くらいで」
上司「じゃあ逆に異動したくない店は?」
僕「異動したくないっていうわけじゃないですけど、高円寺の店舗は行ったことないし家から遠いし、会社内で成績も悪いしあんまり気が進まないです」
上司「高円寺に2店舗あるけどどっちの方が嫌とかある?」
僕「難しいですけど2万ボルトの方が名前聞いたことあってギアの方はまったく知らないんで、強いて言えばギアの方が嫌ですけね」
上司「…ごめん…お前来月からギアに異動や」
僕「!?」
という感じ。
最初は冗談かとも思ったんですが、どうも内容を聞くと系列内でPAスタッフが何人か辞めるのでその補充のため新人たちがいろいろな店舗に割り振られる、というような話で本当に異動するということになります。
上司としても僕が高円寺に馴染みがないことを知っていたので渋谷の店舗に行けないかとか打診してくれていたみたいなんですが、他の店舗の都合もあって結局高円寺ギアに行くことに。
さっきも書いたように高円寺ギアは当時系列内でもっとも成績の悪い店舗でした。
系列内の飲み会とかでも他の店舗とつるむことが少なく、僕は予備知識がほぼゼロの状態で異動することになります。
最初の方に書いたアンチノックで働く意欲とか自負とかが空回りしちゃった感はありましたが、決まってしまえばこれはこれで楽しみな気もしてきます。
アンチノックは成績の良い店舗だったので改善点があまり思いつかない状況でしたが、成績の悪い店舗に行けばこれから良くするという楽しみもあるな、と思ったのです。
良くも悪くも自分の能力が試されるという気持ちで高円寺に向かいます。
というわけで次回からは高円寺ギア編。