『モモ』ミヒャエル・エンデ
私の父が娘の11歳?の誕生日プレゼントにくれた本書。
書名と表紙絵に引かれて読もう読もうと思っていたのですが、随分と時間がたってしまいました。
この作品は、「時間」を主題にして、現代社会への鋭い風刺、問題提起をしながらも、SF、ポエム、中世的世界観などを重層的に織り込んで、子供が読んでも大人が読んでも読みごたえがある作品に仕上がっています。
表紙絵をみて、もう少し古い時代の作品かと思ったら、私が生まれた年の作品で、意外と新しくて驚きました。エンデは、今現在にもつながる現代社会の様々な問題がクローズアップされ始めた時代に、ドイツ南部に生まれ、大人になり、この作品を生んだんですね。
あとがきに、この表紙絵が著者のエンデによって描かれたと書いてありましたが、この絵の世界観がモモの世界観を支えていて、この世界観があるから童話になるだよなぁと感心しました。