なかちゅう

山と酒と娘と読書が趣味。 読書日記と気になった記事へのコメントを中心に投稿します。 時々、ビジネスのことも投稿するかもしれません。

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最近の記事

『脳と時間』 ディーン・ブオノマーノ

超ど真ん中、豪速球の面白さです。 「過去も未来も現在も平行して存在している」 「今は過去の積み重ねじゃなくて、未来は決まってる」 「時間の流れとは心によって作り出された錯覚だ」 というのが最新の物理学や哲学の主流の考え方だと聞いて、みなさん、どう思われますか? 相対性理論や量子力学を勉強した人でも「そういうこともあるかもな」とは考えられても心から納得するの難しいと思うし、そうじゃない人はとてもじゃないけど納得できないと思います。 それは、今日は昨日とは違うし、明日

    • 『モモ』ミヒャエル・エンデ

      私の父が娘の11歳?の誕生日プレゼントにくれた本書。 書名と表紙絵に引かれて読もう読もうと思っていたのですが、随分と時間がたってしまいました。 この作品は、「時間」を主題にして、現代社会への鋭い風刺、問題提起をしながらも、SF、ポエム、中世的世界観などを重層的に織り込んで、子供が読んでも大人が読んでも読みごたえがある作品に仕上がっています。 表紙絵をみて、もう少し古い時代の作品かと思ったら、私が生まれた年の作品で、意外と新しくて驚きました。エンデは、今現在にもつながる現

      • 一卵性の双子は「遺伝的に同じ」ではないらしい

        以下の結論自体は目新しいものじゃないけど、包括的レビューの結果というのが重要ですね。 「その結果、平均すると、本人の特性や疾患に遺伝と環境がそれぞれ影響を及ぼす可能性は同等だという結論に達した。」 https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/23/080400405/ あとのポイントは以下かな。 一年間の宇宙滞在では、エビジェネティクス(じゃなくて、遺伝子発現の方が正確かな)的な変化はあっても遺伝子自体は変化しない。エビジェネティク

        • 『氷壁』 井上靖

          ここ2、3ヵ月、なんだか井上靖さん月間が続てますが、今回は少し趣向を変えて、歴史小説から離れてみようと3年前から登山を始めたこともあり、『氷壁』を手にしてみました。 が、これ山岳小説じゃなくて、山を舞台にした恋愛小説じゃない! と勝手に勘違いして、突っ込んでおります。 https://www.amazon.co.jp/%E6%B0%B7%E5%A3%81-%E6%96%B0%E6%BD%AE%E6%96%87%E5%BA%AB-%E4%BA%95%E4%B8%8A-%E

          『額田女王』井上靖

          額田女王(額田王)を主人公として取り扱った小説や漫画など多数あるようですが、私は初めて読みました。 飛鳥時代のことなので、その後の時代に比べて史実もはっきりしませんが、個人的には好みの解釈です。 最近和歌の本を立て続けに3冊読んでからのこちらの小説。歴史小説(物語)の中で歌われることで、改めて、和歌の魅力を感じます。 で、額田女王。 和歌最初期の天才歌人ですが、そこもありつつ、中大兄皇子と大海人皇子という飛鳥時代の英雄二人に愛されながらも巫女的な要素を背景に、現在的?

          『額田女王』井上靖

          『和歌史 なぜ千年を越えて続いたか』 渡部泰明

          『和歌とは何か』渡部泰明を読んだときにも思ったが、内容が面白くないことはないのに、題名のせいで期待値とのギャップが大きくなり、結果、ちょっと違うんだよなぁ…となる。 今回の『和歌史 なぜ千年を越えて続いたか』も同じ。著者が選定した和歌の歴史における重要人物の書き連ねることで和歌が続いた歴史を解き明かそうという意欲作だが、解き明かせてないし、スタンダードな和歌の歴史を知りたいというニーズにも答えられていない。 ただ、『和歌とは何か』を読んだときにも書いたが、著書の知識の裏付

          『和歌史 なぜ千年を越えて続いたか』 渡部泰明