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思いこみをなくす

自分の子供を叱っている時に、妻から「あなたは子供の頃にそんなにできたの?」と逆に怒られた事があります。はたからみると理不尽な怒り方だったのだと思いますが、こういう指摘があると我が家の夫婦関係はビリつきます。

冷静になった後に、「子供の頃は何も考えていなかったなあ」と思い直しました。大人になるにつれて様々な事を経験し、「こういうときはこんな対応をするべきだ」「効率よくこうするべきだ」という考えが、我が子を叱る時に現れていたと思います。

コーチングにおいて重要なことは、自分自身が先入観を持たずに、共感を持ってコミュニケーションを取ることです。このためには、自己を磨き、常に自分自身を客観的に見つめ直すことが求められます。私たちは過去の経験によって形成された価値観を持っており、新しい経験をする際には、その価値観を通して状況を判断します。これは無意識のうちに行われるため、いわゆる「先入観」によって相手を評価しがちです。これにより、意図せずに人間関係の問題を生じさせてしまうことが少なくありません。

先入観を完全に取り除くことは難しいですが、少なくとも自分がどのような先入観を持っているかを認識し、別の見方ができるようになることが、多様な価値観に対応するコミュニケーションの出発点となります。相手の話を聞く際に、先入観を排除し、判断を保留して聴くことが大切です。多くの人は、相手の話を聞きながら自分の頭の中でさまざまなことを考え、次に何を言おうかを準備してしまいます。しかし、コーチングにおいては、相手が何を伝えたいのか、その背景にある考えや感情を理解しようとする姿勢が求められます。

同じ経験をしても、その解釈の仕方によって学びは異なります。子どもの頃からどのような環境で育ち、どのような体験をしてきたかが、現在のコーチングに大きく影響します。そのため、自分が無意識に持っている偏見や先入観に気づき、常に自己評価を行うことが大切です。

自己評価をすることで、自分がまだ知らないことやできないことに気づくことができます。これを「意識的無能」と呼びます。自分ができないことに気づけば、それをできるようにするための努力を重ねることができます。練習を続けていくことで、最終的には意識しなくてもできるようになる「無意識的有能」の状態に達することが可能です。ただし、この状態は注意が必要です。無意識にできるようになってしまうと、その先に進むことが難しくなり、さらなる成長の障壁となることがあります。

相手がより優れたパフォーマンスを発揮できるように支援するには、常に自分自身を高め続ける姿勢が求められます。対自己の知識を深めることで、自分のスキルや知識を向上させ、成長し進化し続けることが不可欠です。

スポーツ科学やテクノロジーに関する知識も、現代は重要です。インターネットやデジタル技術の発展により、相手やその周囲の人たちが指導者以上の知識を持っている場合もあります。過去の経験に頼っているだけでは、時代の変化についていけなくなります。常に最新の情報を学び続けることが、指導者としての成長につながるのです。

つまり、コーチングにおいては、先入観を持たずに相手と向き合うことが大切であり、そのためには自己認識を高め、常に学び続ける姿勢が不可欠です。指導者が自分自身を磨き続けることで、相手により良いサポートを提供できるようになります。

目からウロコの学びを、日々意識していきたいと思います!

nakaba

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