エンタメとしての言いまつがい
ことばは変化し進化していく。ということが前提ではあるのだが、生活していて気になる言い回しがある。ぼくが気になる代表的なものは「〜になります」。いつからはすごい使われるようになり、気になりはじめた。特に気になったキッカケはハッキリと覚えている。仕事でクライアントにプロデューサーが、ぼくのことを紹介しようと「こちらはCMプランナーになります」と言ったのだ。ぼくは心の中で「じゃあ今はなに?」とつよく思った。ぼくの夢を代理で言ってるような違和感があり、あなたはぼくをCMプランナーとは認めてないのね?と皮肉を言いたくなったのをグッとこらえた。ぼくが気になるのは、あたかも「です」のように「なります」を使っている時だ。「です」は今のこと。「なります」は未来のこと。のはずなのだが、どうやら最近はちがうようだ。テレビでNHKのアナウンサーが言っていた時は、ぼくの認識がまちがっているのかな?と不安になった。
ほかにも、「絵に描いたような」という言い回しがある。これは使用頻度はたかくないものの正しく使えていない人が多いように思う。ぼくが言われて気になったのは、ぼくがメガネをかけるか悩んでいた頃、「満員電車に乗ると、絵に描いたようにメガネがくもりますよ」と言われたことがある。その頃から、この表現がずっと気になっている。満員電車にでくわすたびに思いだしてしまう。「絵に描いた」というのは理想的、典型的、美しい、すばらしいものを例える時に使う表現で、これはことばの変化とかでなく誤用だと思う。
ぼくが子どものころは、タモリさんのように世の中の誤用を指摘したりする人が好きだった。糸井重里さんの「いいまつがい」もたのしい。いまはだれも指摘しない。その方がいいのだろうな。もっとエンタメとして、ことばで遊んでほしいな。指摘する側もされる側も寛容にね。
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