WOW WAR TONIGHT論
ぼくらの世代には『WOW WAR TONIGHT〜時には起こせよムーヴメント〜』の衝撃がすさまじかった。まさにダウンタウン最強の時代。「飛ぶ鳥を落とす勢い」という言葉しか思いつかないほど、その表現が似合っていた。子どもの頃、ダウンタウンやウッチャンナンチャン、とんねるずを見ていて、「お笑い芸人になればなんでもできるんだな」と思った。歌も歌うし本も書くし映画を撮るしハリウッド映画に出るしペレに会うしミラノコレクションに出るし。領域をどんどん拡張してその様もまたおもしろかった。
その集大成とも呼べるものが『WOW WAR TONIGHT〜時には起こせよムーヴメント〜』だと思う。当時は小室哲哉もすごくて、この人もまた飛ぶ鳥を落としていた。作る曲すべてがミリオンヒットなんじゃないかと思うほど毎曲売れていた。その、時代の先端を走りあたらしい時代を切り拓いていた小室哲哉と浜田雅功がタッグを組んだH Jungle with t。番組のノリのようにはじまったプロジェクトからこんな名曲が生まれた。1週間もかからずできた曲らしい。もう1個ちなみに、ダウンタウンのネタの浜田さんのテンポが「ジャングル」という音楽のリズムに似ていたことでネーミングされたらしい。知らなかった。なんとなく騒がしい感じやゴリラという印象(当時はそんなに言われてなかったと思うが)で特に疑問にも思わなかった。
話を戻して、この曲が愛されている理由は庶民の気持ちに寄り添っているという分析があるみたいだが、ぼくはむしろ逆だと思った。小室哲哉が色んな人に楽曲提供をする中でも圧倒的に自分を投影できる存在がダウンタウン、そして浜田雅功だったのだと思う。じゃなきゃ「時代が追いかけてくる」なんて歌詞を書けないのではないかなぁ。トップランナーの叫びが時代を象徴する音楽となったのは、嘆かわしさを主張する制作者の気持ちに親しみと軽やかさを加えた表現者のシナジーだったのだと思う。
凡人のぼくまでグッとくるんだからふしぎだな。
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