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「学ぶために読む」ではなく『読んだら学べた』が理想の読書|読書記録

実はここ最近、本が読めなくなったんです。読まなくなったのではなく「読めなくなった」です。

週に一度は書店に行き、読みたい本があれば購入する。それなのに、なぜか読む気にならない。そして、本は溜まっていく一方。

「読みたい」気持ちはあるのに「読めない」日々が続き、溜まっていく本を見て「読まなければ」と頭を抱え、何ともヤキモキした日々が半年ほど続いていました。

しかしやっと、読めない日々が終わりました。
そして読めなかった本たちを再び読む気にさせてくれたのも、やはり1冊の本でした。

『現代人のための読書入門 本を読むとはどういうことか』

「読めなくなった」をふたたび「読める」にしてくれたのは、印南敦史氏の現代人のための読書入門 本を読むとはどういうことかでした。

本書のゴールは"再び読めるようになること"であり、まさに僕が必要としていた本です。
こういうことって、たまにありますよね。求めていた内容の本が急に目の前に現れるっていう。

今回のnoteでは『現代人のための読書入門 本を読むとはどういうことか』を読んで、僕がふたたび本が読めるようになった理由を考察していきたいと思います。

「学びありき」で読書するべからず

まずはじめに、最も印象に残った、心に響いた箇所を紹介しておきます。

「〇〇を得たいから読む」と考えるから、失敗したときに対処のしようがなくなるわけで、そうではなく、「読みたいから読んだら〇〇が得られた」という順序で考えるべきなのです。

『現代人のための読書入門 本を読むとはどういうことか』p.185

この一文で、読書できない日々が終わりました。まさに自分の今の現状を言語化された気がして、衝撃を受けました。

実はここ最近、専門分野以外の文野に関する読書、いわゆる教養とかリベラルアーツと言われる読書を心がけていました。将来的なキャリアを見据えて、専門文野以外も強化しなければと考えていたからです。

社会人ともなれば読書できる時間も限られているので、専門文野以外に足を踏み入れるには、しっかりと内容を吟味して戦略的に、効率よく読書をする必要があります。

しかし、この「戦略的かつ効率の良い読書」という考え方が、読書できない自分を作ってしまったんだなと反省しています。
効率よく戦略的に読書をしようとするあまり、読みたいかどうかよりも読んだ後で得られるであろう学びを優先していたんですね。

「読みたい」よりも「学べそうな本」が本選びの基準となってしまっていたので、購入した本の多くが「そこまで読みたいとは思わないけど、学びが多そうな本」ばかりでした。

たとえばアリストテレスの「ニコマコス倫理学」とか、ヒポクラテスの「医学論集」など。
そりゃ読めないはずですよね、だってたいして読みたいとは思っていないんだから笑。

本書で言われている通り「〇〇を得たいから読む」になってしまっていたんです。

専門書ばかりを読む日々

看護師になってから僕が読んだ本のほとんどは、手術看護関連の教科書、麻酔や術式に関する医学書がほとんどです。最近はこのような専門書も一通り読み終えてしまったので、Googleスカラーで論文を読み漁る日々。

そこでふと思ったのです。

「この手の専門書って、読みたいから読むというより何かを学びたいから読むわけだよな?」と。

もしかすると、専門書ばかり読み漁ってきたこれまでの過程で、僕自身の読書に対する考え方が「読みたいから読む」ではなく「学ぶために読む」になってしまっていたのかもしれません。

専門書と教養とでは、読み方が異なる

専門書や教科書はどうしても「学ぶために読む」になってしまう。もちろん読みたいから読むという側面もありますが、多くの場合は「仕事に必要だから読む」のでしょう。学生時代の教科書だってそうですよね。大嫌いな科目の教科書も読まなければならないわけですし。

しかし専門書や教科書と同じように教養を深めるための読書をしようとすると、どうしても「読みたい」よりも「得られる学び」という視点で本を選んでしまう。

ここでふと、山口周氏の著書『知的戦闘力を高める独学の技法』を思い出します。

山口氏は「専門書と教養とでは読み方が異なる」として、専門書は何度も繰り返し読むから読書ノートは取らない、しかし教養に関する読書は洞察を生みだすために読書ノートを取る」と書いています。

どんな本でも同じように読めばいいわけではないということです。本の選び方から読み方まで、専門書と教養書とで分けなければならないなと感じましたね。

専門書は勉強、それ以外の読書は娯楽と考えてみる

僕が読書できなくなったのは、専門書ばかりにどっぷり浸かった結果「読みたい本よりも学べる本」を探していたからなのだと思います。

効率よく戦略的に読書するのは大事だと思いますが、それは専門書だけにしておいて、教養の部分では

  • シンプルに読みたい本を選ぶこと

  • 学びを目的にしないこと

  • 読書を楽しむこと、娯楽だと考えること

を意識していくことが大事なのだと学びました。

まさにこれですよね笑。
学びたいから読んだのではなく、読んだ結果学べた。これが理想の読書なんだろうなと思います。

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