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補聴器で人生が開けた人の話
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内臓王国内臓プリンスの
フッチー王子は
整体歴22年、今までの施術人数延べ約3万人。
その経験を活かし、内臓達の声を世にお伝えしています。
初めての方は
「内臓王国内臓プリンスフッチー王子って、だれ?」をお読みください。
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私の母75歳は、私の小さい頃から耳の聞こえがあまり良くないのだが、ここ数年で本格的に耳の聞こえが前にも増して悪くなってきている。
どれくらい悪いかというと、目の前で少し大きめの音量で話しかけてもあまり聞こえていない感じで、優しさなのかなんなのか、よく愛想笑いをする。
それがどんな話題でも同じ顔で笑っているので、
「あ!お母さん、また聞こえていないんだな」とわかる。
なので、いつも距離が近くても大声で母の耳に向かって話をしていた。
が、つい先日、それを見兼ねた姉が、
「お母さん!補聴器買いに行こう!!!」と、
腰の重い母を連れて補聴器を選びに行ってくれた。
そして、現在、母は補聴器のお試し期間中だ。
最近の補聴器はかなり性能が良く小さくて、話している相手の声だけクリアに拾ってくれる。
その性能の良い補聴器を付けた母と今日会って話をした。
今までは、すぐそばで母に向かって大きな声で話かけても、あまり理解出来ていないような
会話のキャッチボールが出来ていない感じがしていた。
母の話したい事だけが私に届けられている様な感覚だった。
がしかし、今日の補聴器を付けた母は、違った!
別人のように会話のキャッチボールをし、私の話も良く聞いてくれ、何よりも母の頭の回転がかなり早く会話のキャッチボールも豪速球がきたり、緩やかなボールがきたりして、母との会話がとても楽しかった。
母曰く、補聴器を付けていると今まで眠っていた脳の部分に信号が送られ脳がよく働いている気がすると、言うのだ。
うおおおぉ、そうなのか。
人間の脳は、身体は、なんて素晴らしいんだ。
耳が聞こえる事により脳が働き、コミュニケーションが取れるようになり母が本来の母に戻ったようだ。
私は、とても嬉しかった。
今までなかなか投げてもとってもらえないボールを受け止め、投げ返してくれたり、とれなくても拾ってくれる会話を母と出来るなんて、実は初めてなんじゃないか。
私は「お母さんとずっとこういう風に話したかったんだよなぁ」と、とても嬉しくなった。
やはり、人間ってコミュニケーションをとれる事に喜びを感じるし幸せを感じる。
補聴器を付けている母は、電池が入ったように元気になるし、心なしか肌艶も良いし、姿勢もいいように見えた。
私が帰る頃、母は補聴器の説明をしながら、補聴器を外しケースに入れた。
補聴器を外してもしばらくは、名残りで脳に信号が送られているようで、少し聞こえているようだったが、少し時間が経つと電池が切れたようにいつもの「聞こえない」母に戻った。
そうすると、途端に母の表情が乏しくなり、姿勢も崩れてきた。
それと同時に、コミュニケーションが取りにくい母になった。
さっきまでのキャッチボールが急に終了を迎えた。
寂しかったけど、
まっ、母と念願の会話のキャッチボールが出来て、母の生き生きとした姿が見れて良かった。
なんか急に夢から覚めたようだったけど、
「夢」ではなく「補聴器」という現実の魔法の機械で母が変わったのだ。
また、母と話したくなったら、補聴器を付けてもらえばいい。
そういう確かなものなのだ。
つくづく母には長生きして欲しいと思った。
しかし、人間の身体って本当にすごい。
この事からもやはり、身体と心って繋がっているんだなと思うと同時に身体と心と人生も繋がっているのだと学んだ。
今回の件で言うと、耳が聞こえるようになったという身体の変化でコミュニケーションが取れるようになり、母の人生が開けているようにみえた。
私にとって身体は、一番身近に沢山の事を教えてくれる存在だ。
まだまだ興味があるなぁ。(身体に)
それでは、また!