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言の葉

この仕事をしていると、言葉のチカラをすごく感じることがある。
困ったときも、うれしいときも、人は言葉でわかりあっていく…と思うから。
 
昔から、日本人は言葉を大切にして生きてきたらしい。
 
しかもそれは時に「それじゃ、伝わらないんじゃないの?」と思ってしまうような、とても奥ゆかしい表現があったりするから、びっくりする。

夏目漱石が「I love you」を「月がきれいですね」と意訳して解釈した…という逸話があって。ネットで検索すると、なるほどなぁと思わされたりして。
 
「それじゃ、わからないって」
日々、仕事をしていると、こんなふうに言われることもある。
でも、伝えたい相手には直球じゃ響かないことだって、それが例えて言えば、オブラートに包みすぎて伝わらないことだって、手を変え品を変え、まわりの空気感を変えていくことで、その言葉を“生きたもの”にしていくことは、案外やってできないことはない…なんてそんなふうに思ったりもする。
 
正直、これってとても骨が折れる。
草木が芽を出し、ていねいに水をあげて、やがて花を咲かせていくように、ものすごく丹念に気遣いと心配りをしていかないといけないことだったりする。
でも、そうすることで、言葉は豊かに育っていく。
 
若いころは、こういうのって瞬発力だと思ってたけど、いまは、こういう夏目漱石的なヤツもありなんじゃないかと思ってる。
ものすごく考えちゃうから、出しどころを躊躇しちゃって、それはそれで瞬発力を試されるけど…。

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