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読書日和-#1 「好きを言語化する技術」三宅香帆著

2025年に成りました。今年から読んだ本の感想などをつらつらと書いていこうと思います。ご興味あればお付き合いください。

早速、2025年の1冊目は昨年大ヒットした「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」の著者、三宅香帆さんの本です。こちらも非常に面白いので是非読んでみてください。

「推し、尊い…語彙力、どこかに落ちてない?」と、夜な夜なスマホを握りしめ、SNSの海をさまよっていた過去の自分に、今の私は自信を持って言えるでしょう。「大丈夫、語彙力はなくても、推しへの愛は言葉にできる!」と。

三宅香帆さんの著書「「好き」を言語化する技術」は、まるで迷えるオタクの灯台。いや、もはや羅針盤!「好き」を表現するのに必要なのは、難しい言葉を詰め込んだ辞書でもなければ、寝る間も惜しんで読み漁った文学全集でもない。著者が教えてくれるのは、「自分の言葉で語る」という、シンプルながらも、これまで見過ごしてきた大切な真実です。

この本を開く前の僕は、「推しが可愛い!」を連呼するしか能のない人間でした。心の奥底では、もっともっと、この胸の高鳴りを伝えたいのに、出てくる言葉は「ヤバい!」「尊い!」の二択。まるで、語彙力の砂漠に迷い込んだ旅人のようでした。しかし、この本を読んだ今なら分かります。大切なのは、砂漠を彷徨うことではなく、自分の中にあるオアシス、つまり、自分の言葉を見つけることなのだと。

著者は、推しについての発信で一番重要なのは、「自分の言葉をつくること」だと断言します。人の言葉を借りて、それっぽいことを並べ立てるのではなく、自分の心のフィルターを通して生まれた言葉で語る。それは、まるで自分の手で、推しへの愛を形作るような、創造的な作業です。

「きっと推しを語ることで、あなた自身の『好き』がどこからきたのか、わかるはずです。推しを語ることは、あなた自身の人生を語ることでもある。」この言葉は、僕の胸に深く突き刺さりました。推し活は、ただ単にアイドルを応援するだけの行為ではなく、自分自身の「好き」という感情と向き合い、自己理解を深めるための、奥深い旅路なのだと気づかされました。推しを語ることで、過去の自分と出会い、未来の自分を描く。そんな壮大な物語が、たった一言の「好き」から始まるなんて、まさに驚きです。

そして、この本の最大の特徴は、その実践的なアプローチ。難しい理論を振りかざすのではなく、「人の言葉に頼らない」「とにかく書き終えて、それを修正する」「SNSで発信してみる」という、具体的なステップを示してくれるのです。まるで、推し活という名のゲームの攻略本を読んでいるかのような気分になります。そんなことで僕もnoteできちんと文章を書いて発信していこうと考えたワケです。

「他人の感想を見ない」というアドバイスは秀逸でした。これまで、SNSで他のオタクの感想を見て、自分の言葉に自信をなくしていた僕は、この言葉に救われました。大切なのは、他人の目を気にすることではなく、自分の心の声を聴くこと。自分の言葉で、自分の感情を表現すること。それこそが、推し活をより豊かに、より深くする鍵となるのです。

具体的なステップとして、著者は次の3つを推奨しています。
①よかった箇所の具体例を挙げる
②感情を言語化する
③忘れないようにメモをする。
このシンプルなステップを踏むことで、感情を言葉にするハードルは、ぐっと低くなります。

この本を読み終えた今、僕は、何でも好きなことが言語化出来るんじゃないかと、妙な自信が湧いてきました。

この本は、単なる文章術の本ではありません。それは、推し活をより深く、より楽しく、そして自分自身の成長へと繋げる、魔法の杖のような存在です。推しだけでなく「好きなことをみんなに届けたい!」と悩んでいるあなた。ぜひ、この本を手に取り、言葉の迷路から抜け出す一歩を踏み出してみてください。きっと、新しい世界が、あなたを待っているはずです。そして、その新しい世界で、あなたは、そして僕は、これまで以上に「推し」や「好きなこと」への愛を、自分自身の言葉で、語り尽くすことができるでしょう。さあ、言葉の冒険へ、出発進行!

2025/1/12

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