日記^_^
秋の虫の鳴き声は、小川がせせらぐ音に似ている。ほとほとほと。
これからはなるべく、限られたお金を本を買うために使いたいなと思う。今までは服や、化粧品を集めるのに使っていたけれど、そのぶんを欲しい本に回したいなと思っている。
最近は読書が楽しい。たまたま集中できる時期なのかもしれない。スポンジが水を吸収するように、文章がぐんぐん読める。体が面白い本を欲しているのがわかる。
いまは村上春樹「ねじまき鳥クロニクル」を読んでいる。古い本だ。Kindleで買って読んでいる。
この本は今までに3回読んだ。1回目は、中学生か高校生のときに図書館で借りて全部読んだ。(よく読めたものだ。内容はほとんど理解できなかったと思う。なぜなら全部忘れていたから)
2回目は、最近同じ図書館で借りて挫折した。
そして3回目、今もう一度読んでいる。
今はなぜか、面白いなと思う。残酷で謎めいた、ひたすらに不穏な小説だけれど、やっぱり村上春樹の文章が巧みなので、ごくごく水を飲むように身体の中に入ってくる。うん。
かわいい服も化粧品も素敵だけど、今のわたしはほとんど出かけないので、あまり魅力的に感じない。(Tシャツだけ特別に好きなので、たまに買ってしまうけど、夏も終わったのでもう買い足すこともないだろう。)
歩きやすい靴や、涼しい服は必要。でも買いすぎることに意味はない。
本には、買いすぎる、ということはないように思う。どれだけあってもいい。面白いから。吸収できるから。しかしキリがないので、自分で歯止めはかけないといけないけど。
一方で、おもしろい!本を買ってでも読みたい!もっと読ませろ!と思える作家に出会えることは少ない。とても、とても、少ない。わたしの場合は。
だからこの先、本をむやみやたらに買うことはないと思う。なんでもそうだが、わたしはカルチャーに関しては好みにうるさいのだ。
最近、友達に借りた岸本佐知子の本が面白かった。2冊借りてどちらも全部読んだ。
うち1冊の本のタイトルは、「わからない」だった。わからない。魅力的なタイトルだ。そそられる。重厚な黒と、謎めいた絵画の表紙もステキ。
面白いと思える作家との出会いは奇跡だ。稀有なこと。僥倖。
僥倖って単語は「偶然に得る幸せ」って意味なんですね。今までよくわかってなかった。めちゃめちゃ正しい使い方じゃん。ワラ
僥倖、三島由紀夫の小説のタイトルみたいですね。それは豊穣の海よ。