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父親の不満、家族という組織、組織における自尊心

1歳の父親

先日息子が1歳になりました。初めての子育てはわからないことだらけで妻と試行錯誤しながらここまで、何とか走ってきました。おかげさまで元気すぎるくらい元気な子になり、これからが楽しみであり、恐ろしくもある。そんな息子です。私も父親として1歳を迎えられました。ありがたいことです。
息子が生まれてから夫婦で衝突することが増えました。お互い子育ての疲れがある上、家事や育児の方針、時間の使い方や優先順位などの違いが、子育てを通して浮き彫りになり、ぶつかることが増えました。「衝突」と書きましたが、喧嘩をするわけではありません。元来私は内向的な性格ですので喧嘩するような度胸はありません。ただむすっとしてその場をやり過ごし、心が落ち着いて冷静になってから言葉にして話し合うようにしています。(これは妻と話し合ってこういうやり方にしています。理解ある妻でよかったです。)
何度も不機嫌になるうちに「自分は何が嫌で、こんな気持ちになっているんだろう」「不機嫌の本質は何か」と考えるようになり、今日その一旦の結論がでましたので、備忘録を兼ねて書きたいと思います。子育てや家族関係でもやもやしたりイライラしてしまう人の心の整理の一助を担えることを祈ります。

家族という組織

前提として、家族を「組織」として捉えています。この組織は社会における生活基盤を共同で形成・維持していくという機能を持っており、構成員(家族)が役割を担いつつ必要に応じて構成員同士が機能を補いあう必要があります。例えば、1人が料理をすれば1人が掃除をする。1人が風邪をひいて寝込めば1人が看病し体調が戻ったらその分休む、といった風に、組織が全体としての機能を損なわないよう維持していくものということです。
夫婦だけであれば、構成員は自立した大人だけですから、大きな問題はありません。構成員は2人の組織ですので然程多くの事柄を考慮する必要はありませんし、長年生活しているとお互いの勘所がわかってきますのでよりスムーズな組織運営が可能です。
しかし、子どもが生まれて構成員が増えるとそうはいきません。考慮すべき相手が1人増えますし、ましてやその構成員は何の役割も果たしません。(一応書いておきますが子どもはとてもかわいく、かけがえのない存在です。ここでいう役割とは組織への生産的な貢献を指しており、生まれてしばらくの子どもは役割を果たせないことは当たり前のことと理解しています。)
さらに、女性は妊娠・出産に伴って体調や体質も変化しますので、夫婦全体のリソース総量がどうしても減少します。リソースの分配先は増えたのに使えるリソース総量は減るわけです。
つまり、使えるリソース(主に時間と体力)は減っているのにリソースの分配先は増えている状態のため、構成員1人あたりのリソースの分配率がガクッと下がってしまいます。この分配率の低下については認識していたものの、予想以上でした。

組織における自尊心

これが大人が不機嫌になることとどう繋がるのか、ここからは完全に父親目線の記述になりますのでご容赦ください。
先にも述べた通り、自分たちのために使える時間と体力が予想以上に少ない状況にあります。そんな中、仕事・子育て・家事と取り組んでいると自分の時間はほとんどありません。私の年代だとキャリアのことを強く意識するようになり、家族のためにも収入を増やさねばという思いも込め、わずかな時間で資格の勉強や仕事の情報収集をしている毎日です。
妻は妻で、子どもを産んでから1日たりとも傍にいなかった日はなく、疲れ切った体にムチを打ちながら子どもの世話と家事をしてくれています。日中や土日は友人を招いて遊んだり、私が子どもを見て友人と出かけたりしてストレスを発散しています。
ここで、私は嫌な気持ちになります。妻がストレスを発散することにではありません。妻は子育ても家事もかなりの部分を担ってくれており、日々のストレスは大いに発散してほしいのです。本心です。
「私の予定を確認せずに決まった状態で報告されること」が嫌なのだと気づきました。妻は余暇の予定を自分で決めてから、私に報告してきます。私は予定をあまり入れないので私自身の予定が狂うわけでもないのですが、これが嫌なのです。このことに気づくのに、意外に長い時間がかかりました。
なぜ決まった状態で報告されるのが嫌なのか。ここで「自尊心」が出てきます。(未熟な思考なのでお恥ずかしい限りですが)自分の時間が妻の時間より価値がないと言われているように感じ、自尊心を傷つけられているように感じるからです。時間も体力も使い果たし、やっと残った僅かなリソースをどうでもいいものかのように扱われていると感じてしまっていたのです。会社で経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。よく現場を知らない上層部が「決まったことだから」と指示だけを現場に下す、アレです。
(本当に幼稚ですが)「私も頑張っているのだから、私のことも大切にしてほしい」と思っていたわけです。

解決

ここまでほとんど私の愚痴になってしまいまして、お目汚し大変失礼いたしました。妻には気持ちを話し、ある程度理解してくれたように思います。妻はマイペースで忘れっぽい性格なので同じことを何度か言うことになることも覚悟しています。
ただ愚痴を書きたかったわけではなく、同じようにもやもやしている方がいらっしゃるのではないかと思い、この記事を書きました。
私が抱えていた問題の本質は以下の2つにまとめられます。
・家族を組織(社会集団)と捉え、役割を遂行することで組織に貢献すべきだと無意識に考えていたこと
・自尊心、自分を大切にしてほしいと考えていたこと

心休まる場所であるべき家族の中でもやもや・イライラするのは避けたいものです。同じように悩んでいる方がいらっしゃれば心の整理の一助になれば幸いです。
もしこの悩みが僕だけのものなら、それはそれで。

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