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会社の強さって何だろう?

会社の規模が大きいとか小さいということではなく、この会社強いなあと感じたことがあったので書いてみたいと思います。


世の中いろいろ起こっているのは?

最近では自動車業界で不正が発覚して、組織のTOPが謝罪するということが起こっています。

私は独立する前は医薬品業界に勤務していました。
ここも厳しい基準の下、様々なことが起こっています。

モノを作る会社であれば最初は設計や実験などがあり、実際の生産は工場など大きな設備で行うというケースはよくあります。
実際には現場の生産工程に移すと、理屈だけでは解決できない様々な要因が発生して、思ったとおりにはいかないことは多々あります。

先日ある製造業の会社の懇親会に呼ばれて、みなさんの話を聞いていました。
社長、取締役、若い部長が3人です。

以前はこの会社も生産、技術、保証等すべて管理するベテラン取締役がいました。お客様へ製品を出すにはこの人の判断がすべてでした。

現場には現場の事情があって、できないことや難しいことなどがあったのですが、この取締役に正論で返されると、不満を持ちながらも指示に従うしかなかったようです。

そうすると何が起こるか。
「良い情報」だけが伝わります。
本当にマズイ問題は報告されますが、小さなことは隠されます。

記録にはこう書かれているけど、実際の現場ではその通りになっていないなどがあるそうです。

良い情報だけが伝わるので、それが「正」になり、お客さんにもそれが伝わる。レベルの高いことができていますみたいなことになるわけです。

しかしその高い状態は「ウソ」が紛れこんだ状態になります。
(法令違反をしているということではないです)

この小さな積み重ねが時を経ると、重くのしかかってくるそうです。

世代交代をして今は

現在は世代交代が行われ、現場の責任者と保証の責任者が同世代で、お互いに何が起こっているか共有しています。

現場の責任者はどう思われようとも、起こっていることは保証の責任者に話していて、影響の大きなものから必死に改善を行っています。保証の責任者も起こっていることを踏まえて、お客様へどう対応するか優先順位を考えて対応しているそうです。

誰が悪いということではなく、起こっていることを共有して、お客様へ何ができて何ができないのか?
良く見せようとせず、ありのままを伝えて信頼を得ているようです。

保証の責任者の部長から
「もしかしたら以前よりできると言われていることが下がっているのかもしれないけど、やっていることにウソはない。そこだけは自信持って対応できている」という言葉が印象的でした。

・やっていることにウソはない
・良く見せようとはしない
・自分たちの保身がない
・どこか(誰か)の責任ではなく、お客さんとどう向き合うかでそれぞれの役割を果たしている

こんなことができているのだと思いました。

立場は役割であって上下ではない

社長や取締役も気さくな方で、この部長たちだけでなく個々の社員ともよく会話をされています。

良いことのようにも思えるのですが、近すぎるが故の問題も発生しているようです。

部長たちから
個々の社員に目を配るのは良い。
でも役割としてはもっと上から見て自分たち(部長)をまとめてほしい。
下の社員のことは自分たちに任せれば良い。
社員が失礼なことを言ってきたら、自分たちのところへ下ろして自分たちがその社員と対話する。そして社員の言うとおりだと思ったら、自分たちがそちらに交渉する。そうじゃなければ社員に理解してもらうように話をする。
「お前のところの○○がこんなこと言っているけどどうなんだ」で十分。

社長は簡単に相談にのってくれるけど、社長の言葉は意外と重い。
だからその前に話したいということを取締役にはくみ取ってほしい。
会社で何が起こっているのか把握してその上で二人で協議して、どういう方向(方針)にするのかしっかり示す。これが二人の役割。

これを聞きながら社長と取締役が「できてない!」と頭を抱えていました。

冷静に考えると部長が社長と取締役をディスっている状態で、普通はあり得ない状況です。
しかしとても心地良い空間で私は笑ってその状況を見ていました。

世間的には立場の上下はあります。
しかしこれは役割に過ぎず、会社の経営の中心メンバーがチームとして、お互いの役割について対話しているのです。

いろいろできていないことはあるし、迷うこともある。
しかし会社の軸になるメンバーが、より相対的な視点で対話できている光景を見て、この会社強いなぁ・・・と思いました。

後日、取締役にどう感じたのか聞いたところ
「あれだけディスられたら普通は凹むけど、気持ちよかった。なんだか勇気をもらった気分」と言っていました。(笑)



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