できなくてもいい。できるまでやり続けること。
前回のブログで「わかる」と「できる」の間には壁があり、戦略は仮説であり、実行を重ねて修正していくと書きました。
実はお客様のところでこのことを体験しました。
思った通りに進まない
昨年度から会議支援で関わらせていただいたお客様です。
一部のメンバーで進めていたのですが、まあなんとか形にはなったと思います。
今年は多少メンバ-の入れ替わりや、他のグループとの情報共有などを含めて更に会議体のデザインを変化させてスタートしました。
昨年度やってみたことを踏まえて、先のことを決めるのに現場の意見を取り入れる場、実行について検証する場、他のグループとの情報共有の場などあります。
しかし、、、うまくいかないのです。
別のグループから「ちゃんとやってないじゃん!」「教えてくれって甘いよ。自分で勉強するのが筋でしょう」などど、ベテランから非難の声が上がったり、お互いの話に関心を持とうとしなかったり。
去年からいたメンバーはもっと話したいことがあるのに、別のグループからの指摘に振り回されたり。
まあ、メンバーが違うし形態も変化しているので最初から上手くいくとは思っていませんでしたが、会議のリーダーもなんだかモヤモヤしている状態でした。
そこで私たちコンサルと会議のリーダーさんで話し合い、会議の形態がこれで良いのか話し合いました。それぞれのリーダーがやりたいこと、今できていること、できていないこと、この会議でどこまでいきたいのか?
必ず達成しないといけないことは何かなどを踏まえて、再検討しました。
7月以降は新しい形態でまたチャレンジしていくことになりそうです。
「やってみる」の後は「できない」が続く
前回のブログで「戦略」は組織の未来の仮説で、「実行」するには実行する人の価値観の違いなどがあり、それらを無視して成果は上がらないと書きました。
今回のケースでも、昨年の課題をベースに新しい会議体の「戦略」をスタートさせましたが、そこに関わる人たちの価値観は我々コンサルはわかっていませんから、まずは「やってみる」しかないのです。
表題のイラストは「研修」と「コンサル」の範囲を図にしたものなのですが、「やってみる」⇒「わかる」⇒「できる」となっていますが、実際には
「やってみる」⇒「できない」⇒「わかる」⇒「また違う方法でやってみる」の繰り返しです。これを繰り返すことで、実行に関わる人たちの価値観などを反映させながら変化させて「やってみて」、そして「できる」のはコレだ!と「わかる」わけです。
これが戦略と実行の関係です。
コンサルの役目は・・・場を整えること
コンサルって答えを教えてくれる人じゃないの?と言われそうですが、ある意味そうとも言えますが、今は何が正しいかわからない時代になっています。
そうなると正しい答えは自分たちで見つけるしかないのです。コンサルが答えを教えて、実行して成果が出てくればそれはそれで良いのですが、成果が出せるのはその時だけです。何か違う課題に当たったときに、また「できない」を繰り返すことになります。
コンサルはお客様が考える場を整えて、自分たちの成功パターンを見つけてもらうのが仕事です。たぶん、仕事をしていると目の前のことに追われて全体をまとめる場をどう作っていくかなんて考えることはしないと思います。
コンサルが入ることで強制的?に考える場ができるわけです。
お客様が「できる」やり方を見つけられたら、「している」状態になります。そうなれば、コンサルは卒業です。
今回のお客様も、それぞれのメンバーの話していることはどれも正解なんですが、一つにするとなぜかかみ合わないのです。それをかみ合うようにするには、どんな「場(器)」が必要なのか話を整理していきました。
先日あるリーダーさんと話しているときに
「私がいなくても、この会議が成立するようにするのがゴールだからね。そのために誰にどう動いてもらうか考えてね」と言ったら、ポカンとした顔をしていました。
「私がいないと会議ができなかったら意味ないでしょ!」と話すと
「あ、そうかも」と言ってくれました。
目の前のことだけじゃなくて、少し先を見て考えてくれているかな?(笑)