糖尿病の予防

※以下の内容、いきなり読むと難しいと感じますので、記事の「自己紹介」や「糖尿病について」も、ご参照ください。

糖尿病を専門とし、研究を重ねていく中で、糖尿病になる随分前の段階から、健康被害の前兆が始まることを突き止めてきました。

糖尿病とまで診断されなくとも、血糖値が高めであったり、血液中の脂質が高かったり、太っていたり、血圧が高いほど、若い頃に正常とされている範囲であっても、血管が傷ついていることを示すマーカーが高くなります。

健康診断で引っかかることがない、僅かな変化であっても、将来的な健康被害を受けるリスクがあるかもしれません。一般的な医学書には載ってない、最近まで自分が英文誌で示してきた、比較的新しい知見です。

また、インスリンが効きづらい状態、インスリン抵抗性のある状態や、それに伴い、インスリンが出過ぎていると、血管が傷つき、動脈が硬くなっていることを示すマーカーが上がることを、若い方達で、僅かな変化でも起きる可能性があることを示しました。

最近では、機械学習、AIにより、簡便な健康診断指標からインスリン抵抗性を予測する試みもなされています(このテーマの論文の査読を受けています、2024/9/27)。研究が進めば、心筋梗塞や癌などの怖い病気の予測も、若い年齢層であっても、精度良く可能になるかもしれません。

生活習慣の悪化により、インスリンが効きづらくなることが、様々な健康被害の始まりであり、若い頃から起き始める可能性があることを、ある程度ですが、確かめてきました。

インスリンがベータ細胞から適切に出されて、適切に体全体に作用すれば、糖尿病や、他の病気の発症を防ぐことができそうです。そのためには、若い頃から、食生活や運動などの生活習慣に注意して、損はしないと思います。

ほぼ同時に、糖尿病の治療についても記事にします。興味ある方は、そちらも、ご覧ください。

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