目標勾配仮説でモチベーションアップ
ないちです。
今回のテーマは、「目標勾配仮説」について解説します。
(前回に引きつづき、心理学的な内容です)
皆さんは、ある物事を達成するときに、目標を立てると思います。
そしてその目標に向けて努力をすると思います。
最初は紆余曲折を経て、心が折れる時もあるのでしょうが、「目標までもう少し!」という段階まで来ると、自然とやる気にみなぎることはないでしょうか?
目標に近づけば近づくほど、その目標に対する価値が高まり、モチベーションアップする心理現象を、「目標勾配仮説」と言います。
これは、心理学的に研究されているもので、「自分」に対して、また「相手」に対しても、この仮説によって心理をコントロールすることができます。
「自分」に対して目標勾配を活用するときについて、以下例を書きます。
自分でも達成できるかわからないほどの「大きな目標」を達成するためには、どうする必要があるでしょうか?
それは、「目標を細かく分解し、小さい目標にすればよい」ことです。
当たり前の解答になってしまいましたが、このメリットとしては、短期目標の小さな成功体験を積み重ねることによって、モチベーションが維持されます。そうすると、自信が蓄積され、ポジティブな考え方に変わります。結果的に、ストレスを感じる事が少なく目標を達成することができるでしょう。
「相手」に対して目標勾配を活用するときについても、以下例を書きます。
あるコーヒーショップでは、コーヒーを飲むとサービスでスタンプカードが付いてきて、1杯1スタンプが押されます。
一つの例として、"コーヒーを10杯飲むと1杯無料になる"スタンプカードがあるとします。
最初の2,3杯は、あまり10杯も飲む意識はしないでしょうが、これが7杯あたりになってくると、10杯に到達したい意識が強くなり、コーヒーを飲む頻度が上がります。
またもう一つの例として、
①スタンプが10個押せるカードで、スタンプは1つも押されていない場合
②スタンプが12個押せるカードで、スタンプは2つ押されている場合
の2つの場合です。
どちらも、残り10個必要ですが、いったいどちらが、コーヒーを飲む頻度が高いでしょうか?
正解は②です。
なぜかというと、ゴールである「12個」に向かって「既に進んでいる」という感覚になっているためです。
人は、初めの一歩が大変と感じますが、ちょっとでも進んでいると感じると、「心にゆとり」が生まれていくものです。
この2つの例を考えると、他人のモチベーションを維持するためには、「ゴールまでいかに近く見せるか」が重要となってきます。
このように、「自分」にも「他人」にも、この「目標勾配仮説」を元にすれば、モチベーションアップすることでしょう。