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傷ついているだけなんだ

今日は父が家にいない。
これから1週間ほど仕事が忙しくなって、今日は広島に出張をしている。
久々の忙しい時期。
父は6ヶ月ほど仕事をしていなかった。(これには色々関わってることがあるのだけど、父は自営業のため仕事が来なかったという言い方が正しいかも)
父はいつも頑張ってくれている。
彼の抱える社会からの圧や責任、その苦しみが少しでも癒えてほしいと心から願っている。
私には想像の及ばない重みだと思う。
でも、父がいないと、安心する。
急にバットスペースに入ることもないし、父がいるから家事をしなきゃとか、なにかフォローをしなきゃとか、そういう、不安感、焦りみたいなものがないから。
母とシードルを飲んで(ほんの少し、私は酒が弱いと思う)ポテトチップスを食べながらハートストッパー(Netflixのドラマ)を見て楽しかった。
洗濯物畳むのもそんなにしんどくなかった。
なんでいつもはこうならないのかな、と思ったりする。

母と最近、支配と被支配のはなしをしている。
支配されるものの加害性みたいなものが注視されがちだけど、積極的に支配されようとする、或いは相手の支配性を(意図せずとも)引き出してしまう相手の状態について。
(今の父の場合)つまり精神、身体的に脆弱であったり、幼かったり、何がしかのことから自分で意思決定ができない人のケアをする必要がある状態だということ。
男性という性は、昨今語られることの多い女性と同じように、社会から圧を受けている。
社会から求められるかたち(家父長制とか)でいることが苦しい、というのは、おそらく女性も男性も同じなのだと思う。

しかし、女性がいかに抑圧されてきたか、搾取・支配をされてきたか(されているか)ということが語れることで、男性はたとえ望んでいなくとも支配的な役割を負わされ、そのことから生じるストレスがあっても、それをどこにもアウトプットできないという板挟みな状態が生まれているのではないかと考えている。

父は、幼児の父であり、認知症の父がいる長男であり、母の夫であり、精神的に脆弱な状態に陥りやすい子(私)の父であり、4人の家族を養うことを求められる家父長だからである。
それら全ては、例え彼が望んでいなくとも、とても支配的な立場に置かれやすい。
相手の意思を尊重する事が難しいからだ。
なぜなら相手は自分の意思を適切に伝えられず、自分で今ある状況に対して自分の望む判断ができない(社会から阻害されている、或いは精神・身体的に困難がある)からである。

私が父のバッドオーラを感じて、あるいは刺されて(突然嫌味や攻撃的なことを言われるという意味)脆弱になり自己判断ができなくなればなるほど、父の支配性は増す。
悪循環が止まらない。
母とは、できるだけ意思決定を父に任せないこと、自分で勝手に決めて、それに対する責任もなるべく自分だけで完結させること(寝坊したら遅れるとかそういうこと)をしていこう、と話している。
父は、私に色々してくれる。
私が写真を撮るようになったのも父が機材を譲ってくれたからだし、私がどこかへ行く時寝坊したら駅まで送ってくれたり、雨で洗えなかった衣類を明日までに用意しなければならなかったりするとコインランドリーに連れていってくれる。
でもほんとうは、私が起こしたことの責任は恐ろしくとも嫌でも、なるべく自分で負うべきだった。
誰かの責任を被ることも、誰かに責任を被らせることも、長い目で見た時にどちらにも利は無い気がする。

父が母に対して特に酷いことを言うのは、自分は望まない形で負っている役割を苦しみながらも全うしているのに、自分(母)はそれをしないことを許せないという気持ちがあるからなんじゃないか、と想像する。
社会から求められる基準は常に高くなり続ける。
それに応えられていると思える人なんてほとんど居ないのではないかと思う。
ゴールがおかしいゲーム、勝者が居ないゲームをやり続けているような展望のなさを感じる。
父が内在化しているものは、そういう苦しみも一部あるのではないだろうか。
私が苦しみもきっと、内在化している社会がたくさんある。

こういう話は、父とはできないけど。
父に他人の意見を許容できない頑固親父みたいになってほしくない。
父は聡明なひとだし、私をたくさん守ってきてくれたし、私は父のリスペクトしている在り様も色々ある。
わたしは、体も心もこんなに父が居ないことに安心してよろこんでいることが、本当に哀しい。


真面目、って、よく言われる。
どういうことだろうって思ってたけど、今思うのは、自分が受け取るべきこととそうでないことを選択できない(社会の要請をがっつり受け取っている)ってことなんじゃないかと思ったりする。
全部とりあえず目に入ったら引き受けなければならないと思ってしまう。
判断したり、やってみて無理そうだったら離れたりができない。
求められることに応えなければ安心できない。
私が言われる「真面目だよね〜」って、そういうことなんじゃないだろうか。
父も真面目な人だと思う。
だから、こうなってしまうんじゃないだろうか。
距離を置きたい。
恐怖に疲弊している。
私では父の根源的な苦しみにアクセスできない。
どうにもできないことから襲われ続けるのは怖い。
かなしい。

長くなった。
今日は楽しかったし、自分も家事それなりにやった。
だけど弟の対応は全部母に任せて午後3時間半くらい昼寝してしまって、申し訳なかった。
ふたりが寝ていて安心する。
自分に負荷がかかっていないのを感じる。
安心したい。
パートナーがいたら安心できるんじゃないかって夢を見るけど、多分そんなことはなくて(そういう時ももちろんあるとは思う)、人との関わりやお互いの人生には色んなことがあるし、自分の歪みを最終的にどうこうできるのは自分なんだろう。

今日はお風呂入れた!!!!
えらい!!!!!!

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