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二人ともサイダー

いろんなことを思っていた。
けどなんかぐちゃぐちゃだし言葉にすると腐ったシチューみたいになるからできなかった。
そういう時は、いつも嫌だなと思ってたけど、複雑で滑り落ちそうな感覚は怖いけど、その時に、「あぁ今怖いんだな」とか「心臓が浅い気がする」とか「足が冷たい」とか「イライラしてる、このことに対して」とか、抑圧をいなしながらそう思えると、少し違う。
何が違うのか、表現の仕方が分からないけど。

怖がっている。
ビビっている。
それが敵意に見えるし、頑固に見えるし、嫌な感じに見えるのかもしれない。
ただ怖がっていることがそう見えるのかもしれない。
そういう時間を置いていくくらいに、誰かのことを考えられたらと思う。
ケーキは一人で食べても美味しくない。
自分の浅はかさってもっと受け入れ難いのかと思ってたけど、時間とともにか、少しづつだからか、小指の先程は「うん」って呑み込めた気がする。
うん。

冬の空は晴れていてきれい。
斜めのひかりは特別感がある。
ふんわりと信じてくれる言葉に身を委ねると、どこまでも手を広げられそうな気持ちになる。
そういうことをもらえる今も、離れた場所のことを離れながら考える時も、体の中にいる時も、どれの方が大事ということは恐らくなくて、ただ、全部等しくあって、それを望めるかどうかなのかもしれない。

理由もなく手に触れて、理由もなくあなたのことを考える。
そういう時に、初めて自分の皮膚に触ったみたいな感覚になる。
そのときの健やかな恐怖をずっと忘れたくない。

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