山陰を行く旅、最終話―きっと、神のお告げだったー⑥
8月23日、”介護職リフレッシュ休暇”に伴う、2021年の家族旅行最終日未明。どうして、寝ていて娘(6)は逆になる?180度回転するんだい?
どうして母は、頭を蹴られにゃあかんのだ?
………。
時計を見ると、まだ4時半。
えいっ。起きてしまえ。
日記を綴り始める私。外から雨音。
6時すぎには夫も娘も起床しました。
朝風呂はいろ~!
旅館「こぜにや」には家族風呂が2種類あって、昨夜入浴したほうとは別のお風呂へ。
朝の温泉、気持ちいいんだよなぁ~
“旅してる”って実感できる時間です。
7時、朝食の間へ。
うわ…また丁寧な品々に丁寧な接客。
しっかり美味しくいただきました。
部屋に戻る途中、再び鯉のえさやりイム。クサガメの大きいのを娘は発見。カメにもえさやり。
さ、もう一回お風呂はいろ~
男女別の温泉へ。私はひとりで女風呂。夫と娘は男風呂。
誰もおらず、リラックスできます。が、男女別とはいえ、壁を通した隣同士の空間のため、夫と娘の声が響いてくる…(笑)
と思ったら、娘が突然素っ裸で、女風呂に乱入~
すべてのお風呂(4種類)を制覇したわが娘。うらやましいな、まったく。
部屋に戻ってリラックス~
お茶を入れ、部屋に用意されていた銘菓「因幡の白うさぎ」を頂きます。
さて。
どの道を経由して香川に帰ろうか。
雨が止みそうな気配がありました。
投入堂・三徳山、入山許可得ず
「“投入堂”、行ってみたいな」。
国宝・投入堂。
かねてから、行ってみたい場所のひとつでした。
実は鳥取県倉吉市・三徳山にありました。
3日目に立ち寄った三朝温泉の道沿いに「投入堂」を案内表示する標識を見ていたのです。
「へぇ、ここから行けるんだ」
山の奥に立つお堂は“神様が投入れた”とされる説があるほどに、どうやって建立されたかが不明。
険しい道のりのため、服装を整えなければ入れないとか。
宿泊した部屋に『るるぶ鳥取』が置かれており、投入堂も紹介されていて、行けるんじゃない?と考えていた私。サンダルやスカート、半ズボンでなければいいのね。←何か勘違いしていた私。
よし!ほんなら行こか〜ってことで、チェックアウト。
「お世話になりました~」。鳥取市内の真ん中にあるとは思えぬ静けさと、心地いい時間。こぜにや、大好きな旅館になりました。
三徳山までドライブすること1時間20分ほど。山は深く、緑の光景がひたすら続きました。
10時50分、駐車場に到着。げっ!ここで雨?!
夫は雨具を着て、私と娘はひとまず傘をさして、山道入口に向かいます。
「投入堂まで」と住職さんに伝えるも
「いやいや。奥さん、コンバースのスニーカーでは無理です。旦那さんの恰好でぎりぎりセーフってところですから!」
え?!そんなにキツイの?
「みなさん登られる方は、登山靴に、リュックに、晴れた日を選んでおられます」とキッパリ。
わかりましたー!!
諦めます!!!
「登らなくても、近くに拝観所がありますので、そこでご覧になってください」
と案内された拝観所。
見られるっていったって、すごく小さいんだろうなと思いきや、意外にきちんと見られました。
↑ご興味ありましたら。投入堂、公式サイト
機会がまたあったなら、その時はぜひ登ります。
驚愕の梨・新甘泉
12時近くになっていました。
ひとまず、国道9号線に戻ろっか。
夫も私も「梨を買って帰りたい」気持ちが上位にあって、梨の直売所を探します。
“東郷”という温泉沸き立つ町にある直売所で「新甘泉」を。4つで1,800円を思い切って購入します。
(ふだんなら高くて絶対に買わないのですが、味見させてくれ、めちゃくちゃ美味しかった!ひと玉が大きいし。200円まけてくれたし。で、帰宅して食べてみて、それはもう驚愕の味だったのです。来年はお取り寄せしよう。実家に贈ろう)
道の駅によって、野菜を買って、ガソリン入れて、美味しかった「因幡の白うさぎ」をお土産に購入して。
お昼ごはんは道の駅に併設されていた「すなば珈琲」でうどんを。最後に「白兎神社」へ。
もうほんとに帰路に入るので、旅のお礼参りを。
ありがとうございました。楽しかったです。気を付けて帰ります。
タルマーリーが、ある。
鳥取を南下する道を選びました。
「走ったことがないから」。
やがて青空。入道雲がもくもく沸き立つ空。田舎道。
「通ったことのない道は楽しいよね」と夫。
夫婦ともに、冒険が好きなのです。
八頭町を抜け、智頭町に入りました。
ん?
智頭町といえば、「タルマーリー」があるんじゃないの?
天然酵母でパンを作り、麦を育て、クラフトビールも製造しているところです。
タルマーリーを経営している渡邊夫妻が綴った『田舎のパン屋が見つけた「腐る経済」』がとても面白かったんです。
(ミシマ社という出版社が私は好きなのですが、タルマーリーは、ミシマ社と関わりが強いんです)
調べたら「やっぱり近い!!」
幸い、帰路の道中、ほんのちょっと逸れるだけで行ける場所にありました。
もと保育園を改修した建物で、娘は遊具で遊び始めます。
その間に私はパンを購入して。
岡山県に入りました。
瀬戸大橋に戻ってきました。
行きは、雷鳴&大雨の瀬戸大橋。
帰りは、美しい夕暮れでした。
19時半ごろ、自宅に到着。
おつかれさまでした~!!!
4泊5日、総・走行距離 1,236キロ。
終わりに…
「山陰に行け!!」
旅先が山陰になったのは、今なら神様のお告げだったのかなと思います。
旅に出発する前夜、唯一、晴れマークのあった島根県。
出雲大社で旅の無事と天候回復を祈願して始まった4泊5日。
有料の高速道路をなるべく避けての移動だったため、“地の風景”をたくさん見ました。「次回行きたい場所」も見つかって。
宿も前もって決めていなかったため、自由に動けたこともあって、山陰の良さをたくさん発見することができたと感じます。
コロナ感染者数が、とにかく少なかった島根と鳥取。
もちろん私たち自身も感染対策は十分にしながらですが。社会からの「不要不急の外出自粛」「旅行の自粛」には反したけれども、もうこれは、受け止め方次第。それだけのこと。矛盾が生じてしまうのも、もう受け止め方でどうにでもなる話。
“不要不急”と言われるところにこそ、人間らしさはあるのだと思うから。
とにかくも、「ありがとうございました」「楽しめました」。こう言えること自体がとても嬉しいし、幸せでした。
後日、ちょこっとだけ、この旅の延長戦編を。
「写ルンです」を傍らに。
鳥取、再訪?!