曇りのち晴れ

今日は曇ってる、
梅雨だもんなぁ
おいらの胸も、なんだか曇ってるような気がする

選ぶに選びきれない、
お昼ごはんひとつとっても、
あれでもない、
これでもない、
結局もっていたものとは違うのを買って、

外にでて、
食べるときには、

あれ、おいらこれにしたんだったか？

と少し期待はずれになったりもする。

「おちましたよ」

腰の丸いおばあちゃんが、
杖を片手によいしょと拾い上げてくれた
珊瑚朱色と苔色のまだら模様の
亀のキーホルダー。

おいらのおばあちゃんがはまって
リリヤンで作った金色も所々キラキラする
キーホルダー、

「ありがとう」

腰の丸いおばあちゃんに
お礼をした、

あれ、そういえば今日初めて言葉をだしたなぁ
あれ、ありがとうって前はいつ言ったかな
あれ、なんだか胸と喉の間くらいのつかえがとれた
あれ、外、いつの間に晴れたかな

太陽がでて、
おいらの胸にも、太陽がでた。

スキップしながらかえった、
さっき少し降ったあめの水溜まりをとびこえて