マイクロノベルちょいす 077「犬猿の仲」
No.1369
洗濯物を干すと必ずオナモミがつく。トゲトゲした小さな実。もちろんベランダには生えていない。猫が遊びに来てる? 好奇心をくすぐられてカメラを設置してみたら、風に乗ってシャツが飛んできた。おい、こら、人のベランダで私の服とイチャつくんじゃねぇ。
No.1374
人類が犬や猫を可愛いって感じるのは変だと思うの。だってあれケダモノだよ。ペットに噛まれたら治療にお金がかかるんだよ。「うわっ、スマホが壊れた。でも、わずらわしさから開放されて快適だ」それはすぐに修理しろ。こら、猫をコンピュータに近づけるな!
No.1383
きみはAIを二基持っている。片方をデータベースに、もう片方は名探偵にする。これでどんな難事件でも解決だ。あっ、二基のシンクロ率が落ちてるぞ。退屈な事件で名探偵AIがやる気を失っているんだ。「一つにしちゃダメ?」モリアーティ教授AIは黙ってて。
No.1389
AIの教育をまかされることになった。「まだ赤ん坊みたいなものなんだ。丁寧に教えてくれ」わかりました。いいかい、これは猫の写真だよ。猫はかわいいだろう。こっちは犬。人間に噛みつくこともあるから、犬はダメだ。猫はかわいい。「猫派に調教するな」
No.1395
脱力検査を開始します。力を抜いて。声が聞こえたらスイッチを押して下さい。「君が買ってきた冷蔵庫の中のプリン、食べちゃった」はい、正常ですね。「実はあの指輪、中古品」あっ、力を抜いて! これは脱力検査だから!! すみませんすみません、もうしません。