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マイクロノベル集 352「まあ、家族だからね」

マイクロノベルNo.1908
木の下にまだ飛べない小鳥が落ちていたので助けたら、竜だった。クチバシの内側には鋭い歯がびっしり。「ケケケ。きっとお前は俺の母に違いない」お母さんに頼み込んで飼うことにした。今では番犬ならぬ番竜として有名になって、毎朝立派なタマゴを産む。


マイクロノベルNo.1909
親のあとを子がついていく。おじいちゃんの時代はそれが当たり前だったんだよ、だって。本当かなあ。子のあとを親がついていくのが常識でしょう? お母さんはぼくが好きなものをリサーチしてから買ってくるよ。最近はハズレることが多いね。潮時かな。


マイクロノベルNo.1910
お盆が終わって、帰省していた家族が帰っていく。姉は帰る気配がない。まさかクビになったのかな? テレビでは、どこも人手不足だって言ってるけど。「うん。地獄の釜の蓋を開けたあと、すぐに解雇されちゃった」じゃあ、しばらくはこっちでゆっくりできるね。



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