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マイクロノベル集 252「猫よ、猫よ、猫ちゃんよ」
No.1425
吾輩は猫だったかもしれない。生まれ変わったぼくに、お姉ちゃんはたくさん教えてくれる。「二月二十二日は猫の日。猫は阿蘇の根子岳で修行をするんだよ」物知りだね。「うちでも修行できるように麻の苗木を植えたから、毎日ジャンプしてね」それは忍者だよ。
No.1426
もしかしてうちの猫は頭が悪いのかな? 友達が飼っている猫はしないようなミスをするし。「気づいたか、飼い主よ。実は他人はズルをして、ぼくたち猫を賢くしているんだ。さあ、この脱法ちゅーるを買いなさい」これを食べたら賢くなる? 「おもちゃもいる」
No.1427
「猫の歌が聞こえてくるよ。にゃん、にゃん、にゃんにゃんにゃん……何回言ったっけ?」蛙の歌だと思って歌えばいいよ。「そうか。にゃんにゃんにゃん」次は迷子になった気持ちで歌うといいよ。「迷子の迷子の子猫ちゃん……そのまんまじゃん」最初からね。
No.1428
人間に基本的人権があるように、猫にも猫権があります。主にあたたかい寝床とか、下僕の人間とか、ちゅーるとか。「基本的に人間がいないと成立しないんじゃない?」うるさい。猫が膝の上で丸くなって暖を取っている時、人間は静かにしなさい。「すみません」