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旧帝大卒アイドルグループ「学歴の暴力」が七大戦開会式に降臨。

メジャーなアイドルを頂点に、ローカル、地下系、ネット系など多様なアイドルが百花繚乱の昨今、「旧帝大卒」を売りにしたアイドルグループが知る人ぞ知る人気を集めています。東大、京大、名大、九大卒の4人で構成する「学歴の暴力」。来たる7月6日、名古屋大学で開かれる七大戦の開会式に出演予定です。日頃は会社員として働きながらアイドル活動を続ける彼女たちの魅力に迫りました。

“学歴ビーム”に倒れるもよし、跳ね返すもよし

5月中旬、名古屋市栄のライブハウスNAGOYA CLUB QUATTRO。学歴の暴力(=がくぼ)のファンがライブ開始を待ちわびていた。名古屋周辺のファンだけでなく、東京から、神奈川から、福岡からという「追っかけ」の姿もある。年齢層は20代から60代と幅広い。「彼女たちのライブに来ると何だか元気になるんです」と、ロカビリー風の装いをした自称“60代のおじさん”がうれしそうに表情を崩す。

「学歴の暴力」のパフォーマンスに沸く会場(2024年5月18日、撮影 Drone Japan)

唱歌「仰げば尊し」をアレンジした入場曲とともにメンバーが登場すると、ファンたちは一斉にペンライトを振り、「コール」を入れて熱烈に出迎えた。数曲目にグループ名と同名の代表曲「学歴の暴力」が始まると、会場の空気はさらにヒートアップ。ファンの一人が、ライブの様子を取材していた私に「これから写真撮影のチャンスですよ!」と声を掛けてくれた。

この曲が文字通り、がくぼの代表曲。クライマックスを迎え、メンバーが壇上から「学歴の暴力くらえ!」との歌詞に合わせて“学歴ビーム”を発するポーズをすると、ある者はビームに倒れ、ある者は自宅から持参した「学位記」を盾にビームを防いで持ちこたえる。期待どおりのお約束に、会場のボルテージは最高潮に到達した――。

メンバーの“学歴ビーム”に倒れるファンと「学位記」の盾で耐えるファン

会社に勤めながら“週末アイドル”を自己プロデュース

メンバーは東大卒のなつぴなつ、名大卒のあずきあず、京大卒のあろえあろ、九大卒のりりりかりの4人。全員、平日は会社員として働く普通の社会人だ。アイドル活動は週末のみ。東京、名古屋の2地域を拠点に月4回ほどのペースでライブ活動を続けている。いわゆる「芸能事務所」に所属せず、楽曲づくりをはじめ、振り付け、衣装、ライブ会場の手配、PR活動まで自らが手掛ける。

結成メンバーの東大卒なつぴなつ(左)と2期メンバーの名大卒あずきあず
(撮影 Drone Japan)
3期メンバーの京大卒あろえあろ(左)と九大卒りりりかり
(撮影 Drone Japan)

結成したのは2020年秋。元メンバーのえもりえも(京大卒)さんが、なつぴさんにSNSで声を掛けたのがきっかけだ。幼い頃からアイドルが好きだったなつぴさんは、東大生時代にAKB48などのオーディションを何度も受けたが落ち続け、夢かなわず卒業して企業に就職していた。「やりたいことをやれなかったという後悔がどうしても心に引っかかっていた」というなつぴさんは、えもりさんの呼び掛けに迷わず賛同した。

アイドルが星の数ほどもいるご時世、他にはない個性として打ち出したのが「高学歴」だった。しかし、物珍しさだけで有名になり人気が爆発するほど甘い世界ではない。コロナ禍も重なり、初ライブは2021年6月にずれ込んだ。念願のライブ活動も「数人の観客しか集まらなかった頃もあった」(なつぴさん)と苦戦が続いた。
しかし、「好きなこと、趣味でやっていることだから」と言い聞かせ、月4回ほどのライブを続けるうちにメディアの取材が舞い込んだ。次第に知名度が上がり、ファンが増え、活動が本格的になったのは少し前の出来事だ。

CLUB QUATTROに続いて鶴舞公園での野外ライブに登場!
(撮影 Drone Japan)

等身大の姿と振る舞いがファンの共感を呼ぶ

「学歴の暴力」は単に、高学歴でマウントを取って他者を威圧する、というグループではない。「東大生ならこれぐらい簡単だよね」といった先入観や偏見、「高学歴な女性は何かと敬遠されがち」といった“逆差別”など、学歴にまつわる苦労や悩みを歌で語ることもある。

鶴舞公園のライブで熱いコールを送るファン

ライブに訪れた男性(31)はファン歴2年。学歴×アイドルの“意外性”に興味を抱いたのがきっかけだ。自身は名大卒のシステムエンジニア。「学歴で余計な期待をかけられることもある」と、自身と重なる部分に共感した。社会人とアイドルを両立する姿、同じ大学卒のメンバーもいる…など、気付くと年間30~40回もライブに通う常連となっていた。

ライブ会場に学位記を持参した熱いファンたち。医学部卒も!

福岡から応援に来た男性(22)は、「トークがしっかりしていて他のアイドルと一線を画している」と知的な部分に魅せられてファンになり、がくぼの魅力をYoutubeとSNSで精力的に拡散している。この日はメンバーそれぞれに地元、博多の名物を持参してライブ後に手渡し、トークに花を咲かせていた。

ライブ後に会話したり写真を撮ったり、距離の近さも人気の理由の一つ

東京からライブ会場へ遠征に来た50代男性は、大手商社に勤務する名大文学部卒。「母校からかわいいアイドルが出てうれしい。おじさんにも笑いかけ、喜びをくれる」と魅力を語る。がくぼが6月の名大祭ステージに登場すると聞くや、迷わず参加を決定。「名大祭は30年以上ぶり。母校愛にもつながっている」とうれしそうに語った。

メンバーとのトークに並ぶファンたち。熱気は冷めることがなかった

会社員とアイドル活動の原動力は「やりがい」

個性派ぞろいのメンバーたち。活動への考え方や向き合い方は“四者四様”でも、「アイドルを楽しむ」という思いは一つ。
なつぴさんは自然体。「アイドル劣等生かもしれないけど、やりたいことができて本当に楽しい。自分が楽しく活動すればお客さんも喜んでくれるはず」と目を輝かせる。あずきさんは情報学系のスキルを生かしてPR活動に力を入れる。「裏方の仕事が好き。構想した企画やパフォーマンスを実現できることが楽しい」と、ホームページやSNSの管理、動画や楽曲の配信などに意欲的だ。

あろえさんは「前のライブより常に良くしたい」という成長志向。「観客の目を見たり、ダンスを上達させたりして、来てくれた人に喜んでもらいたい」と自らの向上を糧に活動している。りりりさんは「一般人のOLにファンがいるなんて普通では考えられない、あり得ない経験をさせてもらっている」と活動への感謝の気持ちでいっぱいだ。

七大戦の開会式ステージに向け、名古屋SPIDERSとの合同練習(南山大学で)

「私たちに会いに来てくれる人がいることがうれしい」と口をそろえるメンバーたち。7月6日に控えるビッグイベントは、旧帝大7大学の対校戦「七大戦」の開会式。メンバーにとっても凱旋となるステージは、学生サークルの男子チアリーディングチーム「名古屋SPIDERS」との異色コラボで名大のシンボル、豊田講堂ホールに「降臨」する――。

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