未経験からライターデビュー、初めてのお仕事は何だった?(ライター31名のアンケート結果つき)
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こんにちは、フリーライターの小澤志穂です。
私のまわりには社会人になってから未経験でフリーランスのライターになった方が多く、ライターデビューの方法もさまざま。ライターデビューで苦労した身としては、他の人が初めての仕事はどんな内容だったのか気になります。
というわけで、今回は現役ライター31名にアンケートを取り、それぞれのライターデビューと当時を振り返り今だから言えるアドバイスを回答いただきました!
私が「ライターになりたいな〜」と思い立ったときに知りたかった情報をもりもり盛り込んでいます。ぜひ、最後まで目を通してみてください。
■ライター31名のアンケート結果はこちら
早速、アンケート結果について画像付きでまとめていきます!
1.アンケート回答者の内訳(n=31)
こちら、回答20名までは私の知人に「アンケートにご協力をお願いします!!」と個別にメッセージを送りました。その後、Tiwtterでも回答をお願いしたところ、合計31名のライターさんに回答・シェアのご協力をいただきました。
回答いただいた方のライターデビュー当時の業務形態(主業or副業)は、主業・副業はきれいに分かれました。
現在のライター歴は3年以上が8割とバリバリ仕事をしている方たち。これからライターになりたい!長く働きたい!と考えている方の参考になる情報がありそうですね。
2.ライターデビューの方法・仕事内容について
▼ライターデビューの方法について
ライターデビューの方法は、6割の方がクラウドソーシングを利用されており、そのほかにはメディア応募など自ら動いている方が大半です。なかには、知人の紹介やスカウトなどをきっかけにライターデビューされている方もいますが、ここでは少数派のよう。
仕事内容についてはバラけていますが、取材記事よりもコラム記事(SEO、ニュース、レビューなど)が多い印象です。
ちなみに、ライター小澤は会社員時代にクラウドソーシング登録したものの1つも仕事を取れず……今振り返れば①提案文がクソ②圧倒的に応募数が少ないなどの原因が考えられます。
クラウドソーシングサイトは「安い案件ばかり」「応募しても提案が通らない」などネガティブな意見をちらほら聞くこともあります。が、しかし!未経験・コネなしでも参入のしやすさはアンケート結果からも明らかですね。
3.気になるライターデビューの報酬は?
はい、私が個人的に一番聞きたかったのはこちら。ライターデビューの報酬についてです!
結果は1,000円未満の方が3割、1,000〜5,000円未満が4割、5,000〜1万円未満の方が1割弱、1万円〜3万円が約1割弱。
仕事内容を詳しく見ていかないと報酬と労力が見合っているのか判断できませんが……ライターデビュー当初は仕事に慣れていない分、リサーチや執筆に時間がかかってしまうもの。時給に換算すると1時間数百円、最悪の場合には時給数十円みたいなことになっていた方もいそうですね。
4.ライターデビューには満足できたか?
では、ライターデビューの内蓉に満足できたかどうか伺ったところ、「非常に満足」「満足」が約半数、「不満足」「非常に不満足」が2割程度という結果に。
意外とみなさんデビューについては満足か「こんなもんかな」と納得されているもよう。報酬5,000円未満が7割を超える中で「お金じゃない何か」が重要そうですね。この辺りは、後半の記述式回答で詳しく説明しているのでぜひ最後までご覧ください。
5.納期は守れた?ぶっちした???
これは完全にライター小澤の汚れた眼で回答を待っていたのですが、結果は早め納品が6割!アンケートの回答者全員が納期日までに納品しています!当たり前か!!!
ディレクターや編集者さんから「納期守らないフリーライターがけっこういる、ありえない!」と聞きますが(ブーメラン)、ライターとしてそれなりに実績を積んでいる方は、そもそものデビューからしてきちんとしてらっしゃるんですね。しみじみ。
6.みんなのライターデビューで直面した課題
ライターデビューしてそれなりに満足しているものの、自身の課題が見つかった人が大半のようです。取材・執筆・リサーチなどのコアスキルはもちろん、企画書やアポ取り、スケジュール管理など周辺スキルも必要になってきます。
■詳しいデビュー内容と今ならこうする!アドバイス
アンケートの記述式で詳しく回答してもらった部分を、それぞれ紹介していきますね!
・ICT教育ライターの回覧板メンバー
▼「ライターデビューに満足!」その理由は?
夏野かおる(@Natsuno_Kaoru)さんの場合
「掲載された書評に対して、著者の方からハガキをいただき、「私の想いを汲んだ、とても良い書評だった。小見出しなども、むしろ本文にしたいくらいだった」と言っていただけたのが嬉しかったです。一方で「仕事」の感覚が薄く、サークルメンバーの先輩とひどく対立してしまった苦い思い出にもなりました。
このあとに、観光系の書籍制作を行なっている編集プロダクションでアルバイトをさせていただいたのですが、そこでも生意気なことを色々と言ってしまい、本当に甘かったなと今でも申し訳なくなります」
Q.今の自分が当時の自分にアドバイスするとしたら?
「『ライターは作家ではなく、書いたものが修正なしで世に出ることはありません』と言いたいです。前の週に出した“通る企画書の書き方”も、当時の自分に向けて書いたところが大きいです。大学院で先生から原稿をドチャクソ直されるようになり、「ああ、こういうことだったんだ」と分かりました。当時関わってくださったみなさん、申し訳ありませんでした……」
▼クラウドソーシングは複数登録がおすすめ!
小春(@55koharuno)さんの場合
「当時、報酬は1ヵ月で5,000円程度でしたが、それでも勉強させて頂いている感覚だったので現状に満足していたように思います。サグーワークスでライターデビューをしましたが、案件を取得しやすい環境だったのでありがたかったです。記事に対するフィードバックも丁寧で、自身の文章のくせを早期に修正して頂いていたように思います」
Q.今の自分が当時の自分にアドバイスするとしたら?
「1つのクラウドソーシングに絞り込むのではなく、多様なクラウドソーシングに登録することをおすすめします。当時は「無理かもしれない」と思うほど高い目標を掲げてライティングをスタートしていましたが、その心意気で書き続けてくださいと伝えたいです」
▼メディアからオファーをもらってライターデビュー!
少年B(@raira21)さんの場合
「ライターデビューは非常に満足しています。なぜなら、自分の文章に値段がつくと思っていなかったから。メディアからのオファーをいただき、『書けたら送ってください』って感じで締め切り設定がない企画記事がはじめのお仕事でした」
Q.今の自分が当時の自分にアドバイスするとしたら?
「待ってるだけじゃなくて自分から応募しないと仕事は増えないよ、と言いたいです」
▼今考えると1記事数百円は安すぎる…!
ライター原(@yukina_0402)さんの場合
「当時は相場がわからず『こんなものか』と思いましたが、今考えると1記事数百円は安すぎる…!一方当時は、こんな初心者の文章でも買い取ってもらえるんだということに、ただただ感動していました。」
Q.今の自分が当時の自分にアドバイスするとしたら?
「まとまったお金があるうちに、良質な機材を買い揃えるのだ…!(一眼レフ、性能の良いPC、モニター、デスク等)」
▼ライターデビューは突然に!
ライター大橋 礼さんの場合
「ライターデビューは必要に迫られて書いたのであまり深く考えずにいました」
Q.今の自分が当時の自分にアドバイスするとしたら?
「国語をもっとしっかり勉強しておきなさい〜(文法その他」
・そのほかアンケートにご協力いただいた10名(回答順)
▼生活費がかかっている人は収支を考えて稼ごう!
リュウヤ(@ryuya_writer)さんの場合
「ライターデビューでは、最初から記名記事を書けたため満足しています」
Q.今の自分が当時の自分にアドバイスするとしたら?
「収支をよく気にすること。月に稼ぐ必要がある金額、確定している金額、既に納品した分の金額を常に把握しておくことですね!」
▼まずは実績作り!内容や報酬は後回しでOK
高下まみ(@t_mami134)さんの場合
「ライターデビューは、ランサーズのタスクで短い文章を書く仕事だったかと記憶しています。プロジェクトに応募する前の実績作りのための仕事だったので、内容や報酬は特に気にしていませんでした」
Q.今の自分が当時の自分にアドバイスするとしたら?
「出版社などに所属してSEOやwebマーケティングなどを体系的に業務を勉強するのもいいと思いますよ」
▼複数のサービスを使ったり、直接契約にも臆さず挑戦したりすればもっと道が開けてくるよ!
水島なぎ(@nagi_kotobano)さんの場合
「もともと出版社で働いていたこともあり、ことばにまつわる仕事に復帰できてうれしかったです。文章を書いて報酬を得るという体験はとても楽しく、報酬は低くても達成感とやりがいがありました。校正のアルバイト先からはSEO記事のライティングを受注し、クラウドソーシングではエンタメ系メディアでの漫画・ドラマ・映画の考察記事、童話や神話のオーディオブック向けリライト、京都のグルメ系記事(取材なしのおすすめスポットまとめ系)などを継続で受けていました」
Q.今の自分が当時の自分にアドバイスするとしたら?
「請求や入金の管理を一元化するためにひとつのクラウドソーシングサービスしか使っていなかったのですが、最初から複数のサービスを使ったり、直接契約にも臆さず挑戦したりすればもっと道が開けてくるよとアドバイスしたいです」
▼直接契約を取るためにはSEOの基本知識やインタビュースキルを磨こう!
浜田みか(@Mika_Ham1977)さんの場合
「ライターデビューは不満足。というのも、レギュレーションが短いスパンで変わったこと。セット依頼(○本1組のような依頼形態)で編集チェックの終わるタイミングがまばらで、頻繁に変更されるレギュレーションに合わせて修正せねばならず、納品完了まで想定していた期間よりもかなり長くかかったこと。拘束期間が長いわりに、1本あたりの単価が非常に安く、他の業務との並行が難しかったことが原因です」
Q.今の自分が当時の自分にアドバイスするとしたら?
「クラウドソーシング以外にも仕事はありますし、直接契約の方が単価も良くコミュニケーションが円滑であること、直接契約を取るのであれば事前にSEOの基本知識やインタビュースキルを磨いておき、ブログなどで記事をいくつか用意しておくとよいと伝えたしです」
▼出版社に就職した方が良かったかも!
イカイ(@kikukaku_yki)さんの場合
「ライターデビューは非常に不満足!なぜなら、生活できそうにないから!」
Q.今の自分が当時の自分にアドバイスするとしたら?
「一回、出版社に就職した方が良かったかもね。」
▼タダでも先々に繋がる良質なインタビュー記事やエッセイを書くべき!
齊藤颯人(@tojin_0115)さんの場合
「ライターデビューではとりあえず初めての仕事で、お金を貰う経験ができました」
Q.今の自分が当時の自分にアドバイスするとしたら?
「アプリのレビューのように“小金を貰って特に先々に繋がらない仕事”をするより、タダでも先々に繋がる良質なインタビュー記事やエッセイを書くべき!」
▼グーグルの仕組みを勉強すべし!
若山卓也_わかやまFPサービスさんの場合
「ライターデビューは満足しています。というのも、初めて報酬を得た経験に満足したからです。今から考えたら低い報酬でしたが、相場を知らなかったことも関係していたかもしれません」
Q.今の自分が当時の自分にアドバイスするとしたら?
「グーグルの仕組みを勉強した方がいいですよ」
▼健康は大事!
櫻宮ヨウ(@ilusm5x20)さんの場合
Q.今の自分が当時の自分にアドバイスするとしたら?
「その単価では続けていけないし、体が持たないよ」
▼量より質を大切にすること!
ヤマダマイ(@serial_mai)さんの場合
「会社員と両立しつつ、未経験からにしては満足いく原稿料を頂けたため、ライターデビューには満足しています」
Q.今の自分が当時の自分にアドバイスするとしたら?
「量より質を大切にすることが、長い目で見て長期の契約になりますよ」
▼WEBライティングの本1冊は読むべき
中道麻智子(@yakkihou_dietitian)さんの場合
「ライターデビューではリサーチに時間がかかって、時給300円くらいになりました」
Q.今の自分が当時の自分にアドバイスするとしたら?
「リサーチもっとすべき、WEBライティングの本1冊は読むべきですね」
■ライターデビューは無報酬!?ライター小澤の場合
ICT教育ライターの回覧板の発起人である夏野さんを真似してConclusion First(結論から先に)で行きますと、私のライターデビューは①事前に報酬の有無について聞いてなかった②記事納品後に報酬額・請求方法について聞かなかったから「無報酬」でした!
数年後、同じメディアでライターをしていた人(当時はそれほど親しくない)に聞いたところ「え、報酬ありますよ。ちゃんと自分から聞けばいいのに」と言われて知りました。とほほ〜涙
当時は初めてメディアで記事を書かせてもらえるよろこびから、報酬の有無について失念していたんですよね。(ライター募集ページに報酬書いてなかったし!)
それまでは自分のブログで満足しており、人に文章を添削されるのは学生の実習レポート以来で、SlackやTrelloなどのツールを使うのも初めて。記事を書き上げるのもひいひい言っているところに、Trelloのカードを移動し忘れて注意されたり、Slackで複数人のトークに入っていくタイミングが分からなかったりと迷惑をかけてばかり。そのメディアでは数本納品して自分から提案はストップしてしまいました。
私のライターデビューはなんとも不完全燃焼でしたが、その記事をポートフォリオにして他のメディアにライター応募、順調に希望のお仕事をいただけるように。(報酬は請求してないけど)ライター人生に大切なものをいただいたと恩を感じています!
なにより、SlackやTrelloにふれたことで、次の仕事からはそういったツールに抵抗感なく対応できたのはとてもありがたい経験でした。
今の私が当時の私にアドバイスをするとしたら「わからないことはちゃんと聞こう!お金の話は一番最初にするよいいよ!」です。これはライター5年目の今にも通じるところがありますね。
■ライターデビューを考えている方にアドバイス
どんな人でも最初は未経験!とはいえ、社会人になってから異業種転職、未経験でライターデビューするのは不安がつきものです。
未経験からライラーデビューで希望の企画記事か書けた!報酬は相場でもらえた!という方もいますが、今回のアンケート結果に限って言えばごく少数派のよう。
みなさん意外とクラウドソーシングを活用していたこと、報酬額は時給換算するとアレな感じでも、仕事内容にはそれなりに納得されているようです。「リスク取って会社退職してライターになります!」なんて背水の陣で進む方もいますが、副業やアルバイト、先輩ライターのアシスタントからライターデビューするのも1つの手。
なによりも、ライターデビュー後に自分で納得して続けられる仕事をするのが重要です。これから、ライターデビューを考えている方は今回のアンケート結果を1つの参考にしてみてください。
以上、未経験からライターデビュー、初めてのお仕事は何だった?(ライター31名のアンケート結果つき)でした。
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