句を読む―憩いを見守る
小さい頃、たばこを吸える女性に憧れていた。
「ルパン三世」が好きで、不二子ちゃんみたいなかっこいい女性に憧れていたのだ。バーや居酒屋にひとりで行ける女性になりたかった。
現在の私は、たばこの煙にはむせるしお酒は弱い。かっこよさゼロである。
この句の情景が好きだ。「冬の月」は、昼間に出ている月ではないだろう。圧倒的に夜の月。冬の夜の冷たい空気に、たばこの煙がゆらゆらのぼる。
夫である主体は一緒に吸ってはいないように感じるのだけど、どうだろうか。喫煙者ではあるかもしれないけど、この句の瞬間は部屋の少し離れたところから妻を見ている気がする。
妻の憩いのひとときを乱さない視線が好きだ。
(トオイダイスケさんはミュージシャンの顔ももっています。句集がないようなので、こちらの一曲をどうぞ)
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現代俳句・短歌を好む私が、ひとつひとつの作品を読んで思ったことをぽつぽつお話ししています。
Amazonアソシエイトリンクは、取り上げた作品が収録された句集・歌集が分かればそちらを貼っています。分からなかったときは私が読んでいるアンソロジー本のリンクにしていますので、こちらもご覧ください。
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