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句を読む―燻すが良けれ

鰐肉は燻すが良けれきつとさう

佐藤文香 編『天の川銀河発電所』より
「村越敦」

ワニ、、、。食べたことがない。
「きつとさう」というのだから、作者の村越さんも食べたことはないのだろう。食べたことはないけど「燻製したら美味しい」と、割と強い気持ちで思っている。「きつとさう」という言葉には、不思議な確信を感じる。

「きっと」と「たぶん」。近い意味の言葉だけれど、受ける印象は結構違う。この句だって「たぶんさう」だったら、だいぶ自信なさげになる。

「きっと」は、明るい言葉だ。音としてもか行・た行の響きと、はねる「っ」の音は軽やか。明るく肯定的な予想を感じる。

ワニ肉は、意外と臭みもなくて「ささみ」のようなものらしい。調理法を検索すると「ソテー」「唐揚げ」が多いから、鶏肉のように使えるんだと思う。日本では食べられないのかと思っていたけど、最近は食に感度の高い若者たちがバーベキューに使ったりしているらしい。

村越さんは、機会さえあればワニ肉を食べてみるだろうな、と思う。自分で燻してみるかもしれない。作品の読者である私にも、そういうちょっと楽しい気分が伝染した。

(村越さんの所属する俳句会「澤」のHPです)

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私が読んでいるのはこちらのアンソロジーです。


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