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ドラマ「舟を編む」
先月からBSNHKで始まったドラマ、『舟を編む』。
10年前、原作を図書館で借りて読んだときは「辞書作りってこんなに大変な作業だったんだ〜、地味だけど後からじわじわとくる、いい話だな〜」と、感じた程度だった気がする。
今回、ドラマに私の推し人であるRADWIMPSの野田洋次郎さんが出演することが決まり、文庫本を購入し、あらためて読んでみた。
『言葉は、傷つけるためではなく、誰かを守り、誰かに伝え、誰かとつながるためのもの』
10年前にサラリと読み進めていた文脈も、年月を重ねると読み方や視点が変われば新たな気づきがあった。
今、誰もが発信できる時代になって、SNSやニュースのコメントなどで人を傷つけ攻撃するような言葉を見かけることが多くなってきている。
それを見るにつけ、悲しく残念な気持ちになるなか、言葉を大切に扱っていかないと、、と考えさせられた。
登場人物は皆、不器用な人が多い。人づきあいが苦手な馬締さん、自分に自信が持てない岸辺さん、器用貧乏な西岡さん、辞書作りという特殊な環境での人間関係が紡ぎだす優しい世界は、いつまでもそこに漂っていたいという感情がわいてくる。
映画の松田龍平さんと宮崎あおいさんの世界観も素晴らしかったけれど、テレビドラマもこの本のコアな部分は残しつつ、馬締さんではない岸辺さんの視点は、とても新鮮だ。
辞書を手元に置き、知らなかった言葉の意味を貯めていくことが今のささやかな楽しみにもなっている。