新天地・新境地 三千櫻 【酒日記】
日本酒ファンの皆さま、お久しぶりです。
久しぶりの酒日記。
本日ご紹介する銘柄は、「三千櫻」
三千櫻は、新しくてそして歴史のある銘柄。
え? どういうコト? 新しくて歴史がある?
この先、語ります。
日本酒に興味の無い方は、スルーください。笑
◇◇
日本酒を造る(酒造する)には免許が必要。ビールを造る免許でもなく、ワイン、焼酎、ウィスキーでもない。日本酒を造る免許が必要なのだ。
お酒をつくりた〜いと思ったら、そのお酒の種類に合わせた、個別の免許が必要なのだ。ややこしいよね。
調理師免許がそんなことになったら大変だよね。ラーメン店を開業したければ「中華料理の調理師免許」、天丼なら「和食免許」、カレー、ハンバーグ定食も出したければ・・・って、こんなことになったら、新メニューをつくれない!!
が、酒造の世界ではこれが常識。
クラフトビールが流行っているから、ビールも造っちゃおうぜ! というわけにはいかないのだ。
そして、ややこしいのが、日本酒の定義。日本酒を造る途中で柑橘類を入れて発酵させると・・日本酒と同じ製造法なのに「その他の醸造酒」というお酒になる。そう、また違う免許がいるのだ。
ややこしや~ ややこしや (野村萬斎風で)
そして、既得権益に守られた日本酒業界。と、言われてもやむを得ない状況がある。実は、新規の日本酒酒造免許は、(特例を除き)発行されないのだ。お米を発酵させたいが、発行されないのだ!
これが、日本酒業界への参入障壁になっている。
◇◇
な・の・に !
日本酒免許の移転は、出来るのだ。というコトで、我が町でお酒を造りたい! となれば、既存の酒蔵に引越しして来てもらう必要がある。
熱いラブコールが必要なのだ。
熱いラブコールを受けて、寒冷な北海道にやってきた蔵のひとつが、今回紹介する「三千櫻」。全国的には、酒蔵が漸減している昨今だが、北海道では増加しているのだ。北海道が熱いのだ! これからの日本酒は、北海道の時代なのだ!
はぁ、はぁ
オイラも熱くなってしまったのだ。冷静になろう。
◇◇
てぃーん、てぃてぃリてぃてぃーんトーン、ちゃちゃラちゃ、ちゃーちゃーちゃーん (NHK甲子園の母校紹介風で)
北海道東川町
上水道が無くても生活ができる、水のきれいな自然豊かな町。写真の町を標榜し、至る所がフォトジェニックでわくわくする町。そんな町に憧れ、移住者が増えている。北海道随一の人口増加を果たした自治体。
水が豊かというコトは、お米も美味しい。
水とお米、そして空気も美味しければ、できたお酒も美味しいに決まっている。
◇◇
お待たせしました!
本日ご紹介の銘柄は、地元北海道東川町で収穫された酒米(彗星)と、地元の名水で醸したお酒。
じゃーん!
すいせいーごじゅうごぉー(ドラえもん風で)
先日の北海道タビで、ししゃもの握りと一緒に出会った。
もう一度飲みたいと思い、ポチリ
彗星55は、蔵元オンラインショップに一升瓶しか残ってなかった。最後の一本だったらしく、現在は、すべて SOLD OUT。ギリギリセーフ!
三千櫻を冷蔵庫に並べ、ニヤニヤする。
これで、ホリデーシーズンは、安泰だにゃー
さぁ、呑もー
青い彗星を取り出す、栓を開ける、グラスに注ぐ、
グラスに口を近づける。初夏の北海道を思わせる、フローラルな香り。白い可憐な花畑が思い浮かぶ。ところが、続けて呑むと香りに変化が・・花畑から炊き立てのご飯に・・ふっくらご飯の香りが顔を出すのだ。
口に含むと、香りとたがわぬ爽やかな酸味と、穏やかな控えめな甘みが口に広がる。そして、最後におまけ、という感じで、ちょこんと苦みが顔を出す。これらの酸味甘み苦味は、すわーっと消える。非常にキレの良いお酒だ。代わりに、お米の甘い旨味が炊き立てご飯のように、口いっぱいに広がる。これが先ほど感じた香りの正体だ。
食べ物と一緒に味わうと、さらに香りや甘みは消え、お米の旨味が際立つ。やさしい食中酒だ。和洋問わず、いろんな料理に合わせやすい。どぎつくない優しい味の料理が良いと思う。
和食なら、だし巻きたまご、とろ鉄火巻。天ぷらもいいなぁ。洋食なら、さっぱり白身魚のクリーム煮かなぁ、オリーブの実やカマンベールチーズもいいかも
クリスマス料理からおせち料理まで、大活躍しそうである。
いや、それまで酒がもつかな・・
今冬、蔵元が移転して3回目の醸造が始まる。
また、ポチリしちゃいそう・・
<情報>
銘柄: 三千櫻 純米吟醸 彗星 55
アルコール度:15%
精米歩合:55%
原料米:彗星(北海道東川町産)
評価: ★★★★
甘み3、酸味3、苦味2、旨味4、香り3
価格: 3,700円(1800ml)、コスパ:◎
(おしまい)