八十八巡り -道草のススメ-【旅日記】
本日のなぐツーは、地元愛知県のタビ
近場なのに「タビ」って言えるの?
YES!
近くても「タビ」は出来るのだ。
■ 集合は
名鉄内海駅でーす。
愛知県にお住いの方ならご存知、愛知県は知多半島の先っちょ。近くに海水浴場のある駅だ。とある春先の平日、駅前は閑散としていた。
あっ、本日の旅程を説明していませんでしたね。
■ 知多の四国
実は、愛知県にも四国があるのだ。
え? 何を言っているのか、分からない?
これだ!
知多半島まるごと霊場なのだ!
県外への移動が制限されていた時、愛知県内で休日を楽しもうと考え、全霊場制覇を目指してテクテクしていました。今回は、その一部をご紹介いたしまーす。
本日は、ここ内海駅に車を停めて、野間駅に向かってテクテク歩く。力尽きたら最寄り駅から、内海駅まで電車でビューンと戻ってくる「パーク&ライド」計画だ。
■ 地酒じゃなくて
このような、四国霊場巡りをパクった場所(失礼)は、なんと!全国津々浦々存在するようだ。地酒、地ビールじゃなくて「地四国(ちしこく)」と言うそうです。四国が一般名詞になっているところが面白いですよね。
その中でも、知多四国は「三大新四国霊場」と呼ばれています。言ったもん勝ち感はぬぐえませんが、200年余の由緒ある霊場なんです。
前置きはこれくらいで、さっそく内海駅から一番近い霊場、NO47「持宝院」に向かって歩く。
「宝を持っている院」って、いい響きじゃないですか。ここで、巡礼に必要なアレを購入する。それが
「納経帳」(のうきょうちょ〜)
いわゆる御朱印帳ですね。小学生の頃、観光地のスタンプラリーに興じた皆さん! ただいま、御朱印にハマっている皆さん! 鉄印帳もそうですよね! この納経帳が「沼」にハマる第一歩なのだ(笑)
■ 海岸へ
来た道を戻り、内海海水浴場に出る。シーズン前の海岸は人気(ひとけ)も少なく、のんびりムード。お食事どころも数軒営業していた。
「お昼ごはんにする?」
「まだ早いから、もう少し歩いてからにしよう」
この会話が、後悔することになろうとは、この時は知る由もない。
海岸を抜け、少し山道に入り、また市街に降りてきたときには、本日10霊場目の「野間大坊」に到着する手前であった。
そろそろ、14時を回る。腹がペコペコだ。「野間大坊」の横にある「大御堂寺」は、同じく巡礼地。古刹で、開創は天武天皇時代に遡る。
その境内にあるお食事処「まどか」の手打ちそばを目指してきたのに、「売切れ」であった・・・ えーーーー!
慌てて周辺をぐるぐる。古刹ゆえ、巡礼者向けの旅宿、お食事処がある。が、どこもかしこも「お休み」、もしくは「本日営業終了」であった。
■ 一杯のかけそば・・
こんなとき、活躍するのが、妻の秘密のポケットならぬ、秘密のカバン。そう、オバサンのカバンには、いつも「おやつ」が常備されているのだ!!
ところが、妻が、カバンから取り出したのは
「3枚入ビスケット」2袋
と
「あめちゃん」
以上
こんな時に限って、カバンを整理したばかりらしい、トホホ
境内のベンチで、熟年夫婦が「一杯のかけそば」ならぬ、6枚のビスケットを分け合う、わびしい昼食であった。こんな時に、なぜかコンビニも無いんだよなぁ・・
■ 三英傑
実は、ここ野間大坊は、「源義朝」が最後を遂げた場所としても有名なのだ。愛知県は、織田・豊臣・徳川以外にも有名どころに縁があるんです。
「平治の乱」に敗れた源義朝が、敗走する途中、ここ知多の「長田氏」に身を寄せる。ところが、湯浴み中、その家臣である長田親子の裏切りによって謀殺される。
ここ大御堂寺にある、義朝の墓。
最期の言葉「せめて木太刀の一本でもあれば」にちなんで、木札のお供えが山積みになっていた。
そして、その長田父子、義朝の首をもって「平清盛」のもとへ、恩賞をもらうが、もっともっとたけもっとと、欲張りすぎて疎まれ、再び元の源氏の門下に鞍替えする。そしてなんと、殺した義朝の息子、大泉洋!じゃなくて「源頼朝」の部下に収まる。
親の仇に対して、
「懸命に働いたならば美濃尾張をやる」と頼朝は告げる。
なんて寛大なお方・・・長田父子は、心を入れ替え懸命に仕えたのですが・・頼朝は、そんな優しい人ではなかった。泳がされていただけ。結局最後は、頼朝により、松の木に磔(はりつけ)惨殺された。
「約束通り身の終わりをくれてやった」、
これが頼朝が長田父子に放った言葉とされる。(ウィキペディアより)
このような、史実が満載の地、地元なのに、知らなかった・・ この時も、「磔の松」という看板があり、なにこれ?と、道草をしたら、この長田父子の松を見ることができた・・
そう、道草は大事なのだ。
これが、近場で「タビ」をするコツ。
「予定不調和」を起こすのだ。そうすれば、ちむどんどんするよ~
そして、おやつは300円まで
と言わず、たくさん持って旅に出ましょう。
知多四国、続きは、またどこかで・・
(おしまい)
実は、お父さんの最期の場所だけでなく
息子、頼朝生誕の地も愛知県なのだ。こんな旅もおススメ。
もう一人の息子、義経の大活躍?を描く、SF超大作「義経のスマホ」
祝、再放送決定! NHKは、攻めてます(笑)鎌倉殿とのコラボネタも・・
日本史好きなら、ハマると思います。おススメ。