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高温環境はワインの内側をどう変えるのか
ワインは温度の影響、それも高温時の影響をより大きく受ける飲み物である。
これは半ば常識化した知識であるように思われていますが、実際にはワインってあまり暑いところにおかない方がいいんだよね、という程度の認識をされるに留まっているというのが全体を通した平均ではないでしょうか。
周囲を見回してみても、買ってきたワインを温度管理されたセラーに保管して頻繁にセラー内の温度をモニタリングしている人もいれば、家庭の冷蔵庫に保管している人も、リビングのダッシュボードにおいている人もいます。そもそもワインを販売している場面を見ても、業務用の大型セラーで保管している店舗もあれば冬場には暖房がしっかりと効いた売り場の棚に並べているスーパーもあります。
消費者からすれば普段自分がワインを買うお店の保管環境を参考にするのは自然なことです。そうした事情とこれだけバリエーション豊かな取り扱い方をされている現状とを俯瞰すれば、ワインがどれだけ温度に対して敏感なものなのかを誰もが意識していくことは決して簡単なことではないとわかります。
さらにはワイン自体にも保管温度を明確に指定するような案内はほぼされていません。言ってしまえばワインの取り扱いは、その時点においてワインを取り扱う人の裁量に任されています。そうなれば当然、個々人の知識の有無がワインの取り扱い方法を決める最大の決め手となります。
実際問題として、ワインは何℃で取り扱うのがいいのでしょうか。
よく言われるのは10 ~ 15℃。最大でも20℃です。これを超えた管理温度はワインの品質にダメージを与えるとされています。輸送中などに高温の影響を受け、品質的にダメージを受けることはワインの熱劣化とも表現されています。
ワインにおける熱劣化の概要については別の記事にまとめてありますので、ここではより具体的な熱の影響について内容の補足をしつつ見ていきます。
この記事はNagiと一緒に学ぶオンラインコミュニティ「醸造家の視ているワインの世界を覗く部」に投稿された記事の一部を再編集したものとなります。
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