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masuno_shota
プレパラシオンの有効性を科学する|ビオディナミを理解する
バイオダイナミック (biodynamic)、もしくはビオディナミと呼ばれる農業の方法があります。ビオロジックやエコロジックとも呼ばれる有機栽培に区分される農法ですが、その内容は従来の有機栽培とは趣を別にします。作業時期の決定に天体の動きを取り入れていたり、特殊な製法を要求するプレパラシオン(プレパラート)を使うことを義務付けているのです。
人智学を考案した思想家であるルドルフ・シュタイナーが晩年に提唱した、人智学の農業への応用が根底にあるこの農法は、近年の環境持続性志向との相性がよくいま世界中で広く採用されるようになってきています。一方でビオディナミには神秘主義的な側面が伴っています。プレパラシオンの調製などにはまさにこうした色合いが強くみられ、この農法がスピリチュアルなものであるという受け取り方をされるきっかけの1つとなっているとも言えます。
拡大を続けるビオディナミの基礎については「ビオディナミ基礎講座|3つの質問から知るビオディナミ」の記事にまとめました。
この記事ではビオディナミの中核をなすプレパラシオン、中でも特に畑に直接散布することを目的に使われている500番と501番について、科学的な視点からその有効性を検証しつつビオディナミ自体の在り方について考えていきます。
この記事はNagiと一緒に学ぶオンラインコミュニティ「醸造家の視ているワインの世界を覗く部」に投稿された記事の一部を再編集したものとなります。
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