ブドウ栽培における土壌の位置づけを考える
新しく土壌、それもドイツで多いシーファーについて地質学的な内容となる記事を公開しました。
記事執筆のきっかけは先週金曜日、土曜日で開催した私の勤めるワイナリーでの2020年ヴィンテージお披露目会です。当日訪問いただいたお客様に我々のワインの中でシーファーの名前を関するワインをおススメした際に、シーファーの色の違いの理由を聞かれ、その場で明確に回答できなかったために改めて調べた内容を記事にしました。
とはいっても、ここで本当に重要なのは岩石の成り立ちや色が違う根拠ではありません。この違いがどのような理由からワインの味や香り、ひいてはブドウ栽培に影響しているのか、です。
ワイン造りに直接関わっていない消費者の方からすれば、色の違う粘板岩を見せられればどうして色が違うのかは普通に気になります。また種類の異なる粘板岩土壌となっている2つの畑のワインを飲み比べて味や香りが違えば、どうして違うのかが気になります。それはある意味で当然のことです。
我々としてもその両方にこたえられるに越したことはありませんが、仮にどちらかだけに答えるのであれば優先すべきは後者、どうして土壌が違うとワインの味や香りが変わるのか、です。
当然ではありますが、この問いは究極的には粘板岩の種類の違いに留まりません。土壌全般でいえることです。
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