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外国人にナンパされて付いていった結果

ある日、塾講師の業務を終えて、終電で最寄り駅に着いた私は、つけ麺でも食べようかと、夜の街を歩いていた。

終電にしか乗れない職業、塾講師。

午後からの勤務のため、朝は寝ていても良いものの、終わるのは毎日22時を過ぎる。その時間から夕食に付き合ってくれる人も少なく、食事はたいてい一人だった。

そんな私の前を、黒人の男性が通り過ぎて、笑った。

「ハーイ」

私は決してその日、遊んでくれる男性を探していたわけでは無かったが、「外国人」に弱い。それは、英語に少し自信があるから。

なぜ留学経験もないのに話せるのかは、また別のノートに書く予定だが、日常会話に支障がない程度に話せる割に、普段は日本語しか話す機会がないため、英会話のチャンスに飢えていた。

英語で会話したいだけなので、英会話スクールに登録したいわけでもないし、英会話カフェや英会話バーに行っても、数千円はかかる。無料で英語で会話に付き合ってくれる相手や時間は、私みたいなタイプの日本人にとって、結構貴重なのだ。たとえ、ナンパ相手であっても。

声をかけてきたのが、日本人だったら、時間も時間だったし、私は付いていかなかったと思う。

「僕、今日、誕生日でこれから飲みに行くんだけど、一杯だけ付き合わない?」と片言の日本語。

外国の人のこのフレンドリーさと、オープンな感じ、物怖じしない誘い方、日本人にはなかなか、真似できないよなぁ・・・。

そんな文化の違いにも興味はあって、付いて行ってみることにした。

"O...K. Well, Happy Birthday, anyway."

私が英語を話し出すと、相手も驚いた様子で、英語に切り替える。

"Wow, you speak very good English. haha"

これからフランス人の友達と合流して飲みに行くと言う。

色んなお店の前を通り過ぎ、たまに挨拶される彼。相当飲み歩いているのか、顔が広いようだった。

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