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Photo by
fumufumumokumoku
憧れのアフタヌーンティルーム
学生時代、アフタヌーンティルームは雑誌の中だけの憧れのお店だった。
広島にサザビーのアニエスb.の入ったビルができて、その中にこのティールームが入った時はとっても嬉しくて今度は手の届く憧れになった。
だけど学生の身分には敷居の高いお店には変わりなかった。
アルバイトをしてお小遣いを貯めても、欲しいものを買ってはなくなり、なかなか行くことができなかったのを覚えている。
そこで、友達とあらかじめアフタヌーンティルームへ入る日を決めておいて、お小遣いを貯めて、「えいっ!」とココロの中で言いながら入ったもんだ。
ビルの一番上の階で、天井にはエアファンが回り、白い壁に籐のイス。
大きなケーキにたっぷりのポットサービスで出てくるお茶。
ボサノバやおしゃれな音楽が心地よく流れ、学生服のまま大人の時間に紛れ込んだ何とも言えないうっとりする時間が懐かしく思い出される。
今日、一人でアフタヌーンティルームへ入って食事をした。
やっぱりいまでも私には憧れの少しリッチなお店で、いまでも「えいっ!」と入る自分が笑えた。
学生時代と変わらない憧れの時間。
場所は昔と違うけれど、おしゃれな盛り付けのディナーにデザート、たっぷりの紅茶。
紅茶は大きなカップに2杯半というのは、今も昔も変わらない。
ただ変わったのは、私が一人で入ることができるようになったということ。
大きなカップ入ったたっぷりのミルクティーをのぞき込みながら、その湯気の向こうに若い日の楽しくてキラキラした時を思い出し、なんだか書き留めてみた。