
トゲトゲ姉妹の介護の行方
『本当に仲のいい兄弟なんているんですか?』
休日のまだぼーっとしてる朝、NHKあさイチから聞こえた、インタビューのアンサーが、だらだらしてた私の脳をいっきに目覚めさせた。
特集タイトル
『みんなで語ろう きょうだいのもやもや』。
介護を通して家族間にもやっていた私は、
「同感!よくぞ言ってくれた!」と、
ようやく見つけたテレビの中の同志とお茶したくなった。
仲のいい「きょうだい」なんているんですか?
私は7つ上の姉と(現在40代と50代)二人姉妹で、性格・価値観・好み・容姿、何をとっても合わないし似ていない。
7つの世代ギャップもそこそこあるし、合わなくったって仕方ない。
そして姉と会話となると、まぁ~私はふてぶてしく、
スマイルができないひねくれ者で、
姉ときたら、未だに反抗期と言っても過言でない。
こんなトゲトゲの姉妹関係ではいかんよなぁと、モジモジしているうちに、
姉は実家を出てしまった。
(住まいも明かさず。かろうじて父が携帯番号を聞いてるから、いっか。)
そして時は流れ、姉の年相応のお顔が想像つかない程の期間、
四半世紀が経ってしまった。

家族と思えた瞬間
25年3人家族のように過ごした我が家に、緊急事態がおきた。
その1 母の難病による人工呼吸器問題
その2 父の緊急搬送の後に人工呼吸器問題
約1年半の期間で起きた、この二つの延命ジャッヂを迫られた時に、
家族の瞬間を味わった。
その1 コロナ禍の入院期間中に駆けつけた、父と私の声かけには、意識朦朧状態の母が、
姉の登場でうなずけるほど意識回復。
いいとこ持っていかれたーと、ジェラシーを感じつつ、久々の姉に反応した母を思うと、
家族と思わざるをえない瞬間だった。
その2 母の一件の際に番号交換した姉の携帯にコール。
初のお電話は繋がらず、私は独断で延命措置ジャッヂした。
後に駆けつけた姉に、一人で決断した事を謝った。
(私も頑張ったと、自分を鼓舞しつつ)
こういった、ひとりで抱えきれない共有こそが、
家族なんだと、いまさら認識した瞬間だった。
四半世紀後の重い再会で、感情も大きく動いたのだろうな。
その後、母はホスピス施設へ入居し療養中、
父は退院後、なんとか一人暮らししている。
すると、今まで実家事に介入0だった姉が、
この一連で繋がり、ちょいちょい顔を出し始めた。
一見良いことなのに、素直に喜べない私がいる。
些細なことも、私と姉の考え方が、
やっぱり…やっぱり、合わない、
父との接し方も介護の考え方も。
私から見たら、「姉の分、面倒が増える」になってる。
姉妹で介護「私、楽になる」ではなかったのか?
こんな公式聞いてないですけど。
歳月に任せ、勝手に年相応の大人になっていると、期待が膨らみ、
すぐにはじけた。
今まで私は、姉に介護を全く求めてなかった。
私一人の介護は当たり前で、
ある意味自由にやれて、よかったんだ。
精神衛生上においては…。

二人より一人?
今までの両親の生活を見てないのだから、
姉の介護はとんちんかん。
例えば、
買い物で梨のリクエストがあれば洋なしを、
肉のリクエストにはブロック肉を買ってくる。
料理人なんていないんですけど?!
姉は、父からの頼まれ事のみ動き、
時には自分の飼い猫を父に預ける始末。
私は途方に暮れそうになった。
なんとか、親子間のコミュニケーションを取り戻してるんだと、良く捉ええ、姉の行為を受け流すようにした。
そんなもやっと時期に、地元の友とお互いのお家事情をお茶しながら、花咲かせていたら、目から鱗のネタを頂戴した。
友の旦那様とお義父様はうまくいってないのだが、穏やかに会話する日があったと。
きっかけは陰陽師さんの占いで、
「前の魂で、親子関係が逆だった」とか。
どうやら、自分の子供と思えば、かわいく思えたのだそうだ。
私はそれを我が家に置き換えてみた。
もし、姉が末っ子だったら……。
ハッとした。
長年のもやりの霧が晴れそうな予感。
お茶のネタは偉大な効果だった。友に感謝。

家族フィルター解除
姉は、(推測だけど)
7つから甘えたいのを抑えてたかもしれない。
プライドで素直になれないのかもしれない。
私はその姉を、年上フィルターを通すから、
理想と比較し、些細なことも気になっているんじゃ??
パズルのピースがそろったように、しっくりきた。
この説は、全て許せて、姉を尊重できそうだ。
私は今後の介護生活に向け、
もう一つのフィルターも外そうと思う。
娘フィルター。
娘だと、『二人いるのに』ってスネそうだから。
私を、『世話焼きの近くの子』と名付けよう。
世話焼きさんは、
〖ただ、やりたくてやっている。〗
〖やれることをやれる分だけやってみる〗
と、思って臨んでるはず。
このフィルター解除は、ついでに自分も尊重した気分になれる。
これは、きっとベストの策ではない。
まっ、しばらく家族もやりから、精神衛生を保つとして、
次のベターな策までしのいでいけるだろう。
そしてまた、いい案をだしていこう。
あさイチで、きょうだいを共感した同士を見つけて、前向きになったのだから。