じゃがいもの毀誉褒貶
この間、和食の良さを調べてみたら大航海時代、それからじゃがいものことに辿り着きました。
今回は食べ物としてのじゃがいもではなく、栄養学と歴史的役割から見るじゃがいものお話です。
たかがじゃがいも、されどじゃがいも?メークインの一大産地の近くから歴史好き占い師が語るじゃがいもと人類の歴史
kinaの母方の実家は北海道は厚沢部町の近くにあります(厚沢部町ではありません)。
厚沢部町と言えば、メークインの一大産地。
個人的にも、厚沢部町のメークインは他の地方のメークインとは少し異なり、塩煮(昔の人はじゃがいもやカボチャをご飯の代用として食べてたのですが、その時の名称が「塩煮」)なんかにしたらその味の良さがわかります。
kinaのカレーライスが美味しくできるのも、厚沢部のメークインの味に頼っているところが大きく、他の産地の芋にしたら「…今日のカレー、なんか微妙…」ということは多々ありました。
そのじゃがいもは元々アンデス山脈の中で生まれた野菜(穀物?)で、ヨーロッパの船が中南米にたどり着いたことで世界に広まりました。
じゃがいもが発見される以前の長期間の航海では壊血病と呼ばれる、ビタミンCの不足が原因で起きる、体のあちこちから出血し、ひどい場合は死に至る病が隣り合わせにあったのですが、長期間保存ができるじゃがいもにビタミンCが含まれていること、さらにそのビタミンCが熱に強いことがわかり、長期間の航海でじゃがいもを常備しておくことで壊血病の発生率が低下しました。
また、じゃがいもは寒さに強く、冷涼な気候のヨーロッパでも栽培が容易だったためにアイルランドやドイツのような地域で盛んに栽培され、ドイツのマッシュポテト・ジャーマンポテト、それからイギリスのフィッシュ&チップスは国民的な料理としても知られていますね。
ヨーロッパにとってはじゃがいもは小麦と並ぶ穀物源で、じゃがいもが記録的な不作(政府の愚策もあったかと思いますが)が「ジャガイモ飢饉」と呼ばれる記録的な大飢饉をもたらしたのは前にも書いた通りですが…
その飢饉がアメリカやカナダ、オーストラリアへの移民を引き起こしました。
その子孫のひとりがあのケネディ大統領でして…こう考えてみたら、じゃがいもが歴史を大きく動かしているわけで。
ここまで多くの地域の歴史を動かしている食べ物はじゃがいもの他にはと思ったら、あとは小麦くらいじゃないでしょうか?
ローマ皇帝ネロの時の。
フライドポテトやポテトチップスの食べ過ぎは健康不安を引き起こすという医学的な見解があるそうで。
こうしてみると非常に人類に貢献してきたと思えるじゃがいもですが、近年「フライドポテトやポテトチップスの食べ過ぎが健康不安を引き起こす」という見解が医学会から出ているようでして、塩分や糖分の多い食品にかけた税金の通称が「ポテトチップス税」という国もあるそうです。
その内容を読む限りは「揚げているじゃがいも」を指していて、いもの塩煮とか味噌汁に入れたじゃがいもは多分違うと思うのですが、それでも「壊血病の予防や飢饉からの救済をはじめとする、人類に多大な貢献をしてきたじゃがいもが健康面で悪し様に言われるのは悲しい…」と思ってしまいます。
じゃがいもを評価するのも健康面の被害を主張するのも人間で、じゃがいもはじゃがいもとしてあり続けているだけなんですけどね。
もはや何が贅沢かわからなくなってくる、いもの塩煮の話σ^_^;
kinaはこれからもじゃがいもを何だかんだと食べていくつもりです。
いもが入った味噌汁も、フライドポテトもジャーマンポテトも大好きですし。
保存が効くし、いもがあったら、他に食べ物がなくても何とかなることは多いですし。
「日本が食糧を輸入できなくなった時には、じゃがいもやさつまいもが日本人の食卓を救うことになるだろう」なんて話を聞いたこともあるし。
この話を書いていて、kinaが小さいころに塩煮を食べていたことを思い出しました。
もちろん、いもは規格外品とはいえ、厚沢部のメークイン。
美味しいじゃがいもです。
北海道では「いもの塩煮にイカの塩辛」というのは本当にデフォルトなのですが…kinaはイカの塩辛がそんなに好きではない。
バターをかけた方が好みでした。
でも、いもの塩煮が好物のkinaままはイカの塩辛が大好き。
当然、いもの塩煮にはイカの塩辛がついてきて…「バターがあれば良いのに」と何度思ったことか。
…という話をしたら、「厚沢部のメークインをたくさん食べられて、なんて贅沢」「イカの塩辛が普通に食べられるなんて、なんて贅沢」と思われるかもしれませんσ^_^;