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鎌倉さんぽ、ちょっと不思議な出会い。
日曜日。
今日は朝から、いい天気!
カーテンを開けると、窓から差し込む日差しが、まぶしくて、思わず目を細めちゃった。
「今日は、お出かけ日和だな~」
なんて思いながら、ベッドから飛び起きた。
午前中は、母さんと一緒に、鎌倉の市場へお買い物。
新鮮な野菜や果物がたくさん並んでて、見てるだけでもワクワクする!
美味しそうなパン屋さんを見つけて、ついつい、クロワッサンとメロンパンを買っちゃった。
お昼は、市場で買ったもので、簡単にランチ。
午後は、一人で鎌倉さんぽに出かけることにした。
まずは、鶴岡八幡宮へ。
お参りを済ませた後、境内をゆっくり散策。
緑いっぱいの境内は、空気が澄んでて、とっても気持ちいい。
池の鯉を眺めたり、鳩にエサをあげたり…。
のんびりとした時間を過ごした。
鶴岡八幡宮を出て、小町通りをぶらぶら。
おしゃれなカフェや雑貨屋さんを覗いたり、食べ歩きしたり…。
小町通りは、いつ来ても、人で賑わってるなぁ。
美味しそうな匂いに誘われて、ソフトクリームを買っちゃった。
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抹茶味、大好きなんだよね~。
小町通りを抜けると、由比ヶ浜の海岸に出た。
海風が気持ちいい~!
砂浜を裸足で歩いて、波の音に耳を澄ます。
遠くに見える江ノ島を眺めながら、ぼーっとする時間。
最高に贅沢だな~。
海岸を歩いていると、砂浜に、何かが落ちているのが目に入った。
近づいてよく見てみると、それは、古い瓶だった。
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コルク栓でしっかりと蓋がされていて、中には、何かが入っているみたい。
「なんだろう…?」
興味津々で、瓶を拾い上げてみた。
瓶を振ってみると、カラカラと音がする。
中に入っているのは、手紙…?
「まさか…タイムカプセル!?」
ちょっとドキドキしながら、コルク栓を開けてみた。
中に入っていたのは、小さな紙切れだった。
そこには、こう書かれていた。
「もし、この手紙を見つけた人がいたら、私の代わりに、この願いを叶えてください。鎌倉の海で、夕日を眺めながら、美味しい紅茶を飲むこと。そして、その時の気持ちを、誰かに伝えてください。2002年10月2日 海音」
え…?
2002年…?
ってことは、この手紙、20年前のもの!?
タイムカプセルってわけじゃなかったけど、なんだか、すごいものを見つけてしまったみたい。
「海音さん…あなたの願い、叶えてあげます。」
私は、そう心の中で呟いた。
近くのカフェで、紅茶とスコーンを買って、再び海岸へ。
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ちょうど、夕日が沈みかけているところだった。
オレンジ色に染まった空と海。
波の音。
潮の香り。
そして、美味しい紅茶とスコーン。
「海音さん、今、ここで、夕日を眺めながら、紅茶を飲んでますよ。
とっても綺麗で、心が穏やかになります。
こんな素敵な景色を、私に見せてくれて、ありがとうございます。」
私は、海音さんに、そう伝えたかった。
海音さんは、どんな人だったんだろう?
20年前の今日、ここで、どんなことを考えて、この手紙を書いたんだろう?
もしかしたら、私と同じように、夕日を眺めながら、何かを願っていたのかな…?
そんなことを考えながら、紅茶をゆっくりと味わった。
海音さんの願いを叶えることができて、なんだか、嬉しい気持ちになった。
そして、私も、海音さんのように、誰かの願いを叶えてあげられるような、そんな人になりたいと思った。
日が沈み、空が暗くなってきたので、私は海岸を後にした。
帰り道、空には、満天の星空が広がっていた。
「海音さん、今日は、素敵な一日を、ありがとうございました。」
私は、星空に向かって、そう呟いた。
家に着いて、母さんに、今日の出来事を話した。
母さんは、「それは、素敵な出会いだったわね。」と言ってくれた。
うん。
本当に、そう思う。
ちょっと不思議な、素敵な出会いだった。