プロに教わった家庭でできる衣類のお手入れ方法
あなたは普段着用している衣類に汚れやシミなどが付いた場合、どのような方法で綺麗にしていますか?
家の近くのクリーニング屋に持って行ったり、面倒で捨てたりする人が多いのではないでしょうか。
そこで今回は、服を長く着用するために家庭でできるお手入れ方法をご紹介します。
①3種類の洗剤を常備します
1. 中性洗剤:万能選手!どんな素材にも優しい
成分: 酸性とアルカリ性のちょうど中間。
特徴: どんな素材の衣類にも使え、デリケートな衣類にも安心。
代表的な商品: エマール、アクロンなど
中性洗剤は、普段使いにぴったりの万能選手です。 どんな素材の衣類にも安心して使えるので、一家に一つ常備しておくと便利です。
2. 洗濯用洗剤:頑固な汚れをスッキリ落とす!
成分: 弱アルカリ性。
特徴: 水と混ぜると泡立ち、汚れを浮き上がらせて落とす。皮脂汚れや食べこぼしなどに効果的。
代表的な商品: アタックなど
洗濯用洗剤は、頑固な汚れを落としたいときに活躍します。 特に、皮脂汚れや食べこぼしなど、普段の洗濯で落ちにくい汚れに効果的です。
3. 固形石鹸:昔ながらの天然素材の洗剤
成分: 天然油脂とアルカリ。
特徴: よく泡立てて使うと、汚れ落ちが抜群。天然素材なので、肌に優しい のも魅力。
おすすめ商品: クリーニング店も愛用する「エネロクリーン」など
固形石鹸は、昔ながらの天然素材の洗剤です。 よく泡立てて使うことで、頑固な汚れもスッキリ落とすことができます。肌に優しいので、アトピーや敏感肌の人にもおすすめです。
②ウールは家で洗わない
ウールは汚れが付きにくいため、基本的には洗わなくても問題ありませんが、水洗いすると繊維が絡まって縮んだり、水気が残るとシミになるため注意が必要です。
ニットに関してはいつまでもフワフワで着ていたいなら自宅で洗わないのが得策です。ウール繊維は水に通すと毛羽立って繊維が絡まり、ゴワゴワになってしまいます。着たらすぐにクローゼットに仕舞わず、汗の湿気を取るために干して乾かし、表面のホコリなどを払うためにブラッシングすれば綺麗に保てます。着用頻度が高いものはクリーニング店に出しましょう。
③原因不明の汚れを落とすなら優しい順に
Step 1:中性洗剤で皮脂汚れを落とす
普段の汚れの多くは、皮脂や油汚れです。中性洗剤は、これらの油汚れを効果的に落とすことができます。
[洗い方]
中性洗剤を水で薄めて、ブラシにつけます。
汚れに優しく叩き込むようにして、洗剤液を浸透させます。
しばらく置いてから、水で洗い流します。
Step 2:洗濯用洗剤で頑固な汚れにアタック!
Step1で落ちなかった汚れは、酸性の汚れの可能性があります。洗濯用洗剤は、弱アルカリ性なので、酸性の汚れを中和して落とします。
[洗い方]
洗濯用洗剤を水で薄めて、ブラシにつけます。
汚れに優しく叩き込むようにして、洗剤液を浸透させます。
しばらく置いてから、水で洗い流します。
Step 3:漂白剤や固形石鹸で最終仕上げ!
それでも落ちない頑固な汚れには、漂白剤や固形石鹸がおすすめです。
[漂白剤の場合]
漂白剤は、汚れの種類によって酸素系漂白剤や塩素系漂白剤を使い分けます。必ず、衣類の取り扱い表示を確認してから使用しましょう。
[固形石鹸の場合]
固形石鹸は、汚れに直接塗布してこすり洗いすることで、効果を発揮します。ただし、生地を痛める可能性があるので、優しく扱ってください。
④洗濯時の色移りの対処法
洗濯で思わず声を上げてしまうのが衣類の色移りです。
生産工程では、余分な染料を落とすための、ソーピングという工程が必ず行われています。ここで、しっかりソーピングをされた衣類には、色移りなどの心配はないのですが・・・ソーピング不足のまま商品として販売された衣類は、お洗濯や汗をかいた時に、余分な染料が落ちてしまうんです。
これが、色移りとなってしまうんですね。それを防ぐためにも黒や赤などの濃色、白やグレーの淡色といった具合に、色が濃いものと薄いものは分けて洗いましょう。
また、メンテナンスする時は素材にもよりますが、基本的には、日本語表記の洗濯絵表示を参考にしてください。
⑤服の硬さで使い分ける
洗濯機から出した柔らかい生地の洋服がキズだらけになっていたら、これまた気分が落ちます。洗濯機のパワーは私たちが思っている以上に強いので、ファスナーのような硬い部品が付いている洋服とコットンセーターのように柔らかい服を一緒に洗ってはいけません。ボタンだって破損することもあるので、裏返したり、洗濯ネットに入れて洗った方がが安心です。
⑥シワシワのTシャツは、シャワーの蒸気で伸ばす
シワシワのTシャツは、せっかくのおしゃれを台無しにしてしまいますよね。そんな悩みを解決する方法として、シャワー中に一緒に浴室にTシャツを持ち込み、蒸気でシワを伸ばすという方法があります。
シャワーを利用したシワ伸ばしは、手軽にシワを伸ばせるだけでなく、消臭効果も期待できる便利な方法です。ただし、衣類の素材や状態によっては、不向きな場合もありますので、注意して行いましょう。
⑦ジーンズの洗濯方法
洗濯機で洗う時は必ず裏返して洗ってください。デニムは生地が厚いので、水に濡れると極端に硬くなってしまいます。また、洗濯機のスクリュー等で一部分だけがこすれてしまう事もあるので、必ず裏返しをしてください。
汗をかいていない程度であれば、水洗いだけでもよいですが、洗剤を入れるなら、中性洗剤がオススメです。洗剤の中には漂白剤が入っている合成洗剤がありますので、気をつけてください。「デニムにかかって、その部分だけ色が薄くなってしまった!」なんて言う、トラブルのご相談もありました。
干す時は裏返しのまま、逆さに干すのがいいと思います。逆さに干すことで、膝の出ぱった生地が伸びる事があります。でも、ストレッチのジーンズは伸びすぎることがあるので、注意してください。裏返しのまま干すのは日焼け防止もあるのですが、ポケット部分の乾きを早くするためでもあります。場所がある時は、裾の部分をつまんで、広げて立体的に干すと早く乾きます。
洗濯乾燥機は縮みの原因なるので使用しない方がいいです。
アイロンはお好みで、セルビッジ(ジーンズの耳)を伸ばすのはいいかもしれませんね。
⑧ダウンをふっくら仕上げる方法
ダウンコートは年に一回、もしくはシーズン中にもう一回ぐらいのお洗濯で十分です。あまり頻繁に洗われると汚れだけではなく、羽毛の油分も取り去られてしまい、保温効果が下がる可能性があります。なので、まずは汚れないような対策から始めてみて下さい。
最近では、ご家庭で洗えるダウンコートも増えてきました。でも、表や裏地の素材、加工や付属(ファー)によっては難しい物もありますので、必ず、洗濯絵表示を確認してください。(ご購入時に販売員さんに確認するのもいいかと思います)
ご家庭で洗える物は、基本的にやさしい手洗いで大丈夫だと思います。濡れたダウンは大変弱くなっていますので、強く揉んだりすると、すぐに羽毛が裂けたり、絡まったりしますので、あまり圧力をかけないであげて下さい。広げた状態で陰干し乾燥し、表の生地が乾いてきたら、ハンガーに掛け直して干してあげて下さい。完全に乾いてしまうと、自然と羽毛がほぐれてきます。
最後に、羽毛の中に空気を含ませるために軽く叩いて仕上げるとよりふっくら仕上がります。さらにふっくらとした仕上がりを求める方は、コインランドリーのドラム式の乾燥機にテニスボール4、5個と一緒に投入して乾燥させる方法がおすすめします。ボールがダウンに当たることにより、羽毛に空気が入り込みふっくら仕上がります。
⑨洗濯物を晴れた日に干すのはNG?
天日干しのメリットとして、殺菌・滅菌作用やダニの増殖を抑えることが挙げられる反面、長く干しすぎると乾燥して風合いを損なったり、服の生地にダメージを与えてしまうというデメリットもあります。また、花粉やほこり、排気ガス、黄砂などが洗濯物にくっついてしまうというリスクもあるのです。
直射日光を避けて陰干しをするなど、干し方の工夫をしていきましょう。設備が整っていれば浴室乾燥、または除湿機と扇風機で風を循環させながら部屋干しするのが最適です。
⑩お洋服の保管方法について
保管前に、お洗濯・クリーニングしたにも関わらず、いざ着ようとしたら染みが浮き出ていた事はありませんか?これは、保管中に参加して黄色くなってしまう、酸化黄変(さんかおうへん)という現象が起きています。
お洗濯・クリーニングで落ち切らなかった、繊維の奥の汚れが、気温上昇とともに表面に浮き出てきてしまい黄色くなります。少しでも防ぐ手段としては、クリーニング店から戻ったら、通気性の良いカバーに交換しましょう。ビニールのままだと、埃よけにはなるかもしれませんが、熱がこもりやすくなるので、お洋服には大敵です。クリーニング店でかけてもらうビニールは、お家に帰るまでの埃よけなので、保管用ではないので注意が必要ですね。
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